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元旦那です⑤


「まぁ、その事は父上達が調べてくれると

して......。イザークの前世の話を少し

しようか」


アダン殿下が静かに言った。

お、怒ってます?

なんだか雰囲気が怖いんですけど。


「何故、イザークは私に言ってくれなかった?

アベルには幼い頃から話していたんだろう?

私はそんなに頼りない兄だったかな」


「い、いえ。頼りないなんて事はなかった

のですがこのような話を信じてもらえるとは

思っていなかったので。アベルもディアの

存在が本当に居たと知るまでは私の

話は信じていなかったようですし」


あ〜。そんな事も言ってた様な気もする。

私がアベル様をチラッと見ると何とも言えない

微妙な顔をしている。


「それでも話して欲しかった。が、しかし

私もアーサー王だった事を思い出した時に

イザークには話していなかったからお互い様だな」


そう言ってニコニコ笑った。

良かった。兄弟喧嘩にならなくて。


「それで、だ。前世でディアの夫だった事に

ついてだが」


え?色々あるのにそれを1番に聞いてくるの?

レオンお父様やルイお兄様達なら分かるけど

アダン殿下にしたら1番どうでもよくない?


「ああ、それですか。ディアと夫婦だったのは

短い間でした。私が事故で死んでしまったので。

まだ22歳でした」


「それは本当か?」


アダン殿下は私の方を見た。

へ?私が答えるの?


「はい。セイさん......じゃなくてイザーク殿下

は身籠った私を残してバイクという前世での

乗り物に乗り事故で亡くなりました。

その後、私は泣いて、泣いて、泣いて。体の

水分が無くなるまで泣きイザーク殿下の死を

受け入れました。そして子供を無事に産み育て

孫も産まれて私は病気で死にました」


病気で死んだのは多分だけど。


「あ、すいません!私の前世の話をしてしまいま

した。イザーク殿下へお返しします!」


私の前世はどーでもいいよね!

すいません!


「子供......」


「孫......」


ルイお兄様とノアからボソボソと聞こえる。


「いいや、ディアの話を聞きたかった」


アダン殿下がそう言うとイザーク殿下が悲し

そうに言い返した。


「え?兄上は私の前世話を聞きたいのではない

のですか?」


「ああ、そうだけれど22歳の若さで死にそれで

終わったのだろう?私はその後、ディアが

どうやって生きたのかを知りたくなった」


明らかにショックを受けているイザーク殿下。

なんか可哀想......。

もっと弟の前世に興味もってあげて。

しかし、今更私の前世の話を聞いても仕方ない

ような気がする。


「アダン殿下、私は14歳の時、前世の記憶が

戻りました。ですが前世をずっと思っていて

もそこへ帰れるわけでもなく悲しくなるので

その時に私は過去と決別し今はアグオス帝国に

生まれたクラウディアなのです。

異世界の話をするのは構わないのですが私の

前世での私について話す気はありません。

どうかご理解下さいませ」


私は頭を下げた。


「なんと、そうだったのだね。

それは申し訳なかった!」


アダン殿下が謝る。


「え?そうなの?」


イザーク殿下が間抜け顔で私に言った。


「俺は前世での事はまだまだ最近の出来事の

ような感覚でディアへの愛情は無くなって

ないよ?なんならまた一緒になりたいとも

思ってるんだけど?」


は?公開プロポーズか?

部屋の空気が一瞬にしてヤバくなった。


「ごめんね?私はさっき言ったように前世は

遠い過去になってるんだ。だからイザーク殿下

とこちらの世界で夫婦になる気はないよ?」


私はハッキリとお断りをした。

だって前世で泣いて泣いて泣きまくって

セイさんへの想いも断ち切ったのだから。

今はなんの未練も無し!!

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