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元旦那です②


「どうしましたの?」


そんな2人にメルが話しかける。


「「イザーク殿下がご乱心だ!!」」


兄弟揃って綺麗にハモる。


「イザーク殿下がですか?」


私がキョトンとして聞き返す。


「そうなのだ。今朝皇帝陛下の元を訪ねて

来たと思ったら突然に『俺はディアの元旦那

だった』と言い出した。慌てた父上がアダン殿下

の所に来て一緒に話を聞いて欲しいと。それで

私も聞きに行ったのだけれど......」


「だけれど?」


また私は聞き返す。


「自分は前世ディアと同じ異世界人で更にディア

と結婚をしていた......と。子供もいたはずだとも

言っていた......」


「な、何ですって!?」


ノアが目眩を起こしている。詳しい内容を

今、聞いているんだね?


しかし。あの阿保。まだ黙っておけと言った

のに。話す時は私に相談しろと言ったのに。

何で突然カミングアウトしたんだ?


「これはイザーク殿下の嘘かな?ディアを好き

すぎて変な妄想を......」


ルイお兄様の顔色が真っ白だよ。貧血?


でもここまで言われたらもう仕方ないなぁ。


「それ、本当です。ルイお兄様、私を王城に

連れて行って下さい。あの阿保に一発ヤキ入れ

ますから」


「え?え?本当の事!?ヤキ入れるって?意味が

分からない!!」


パニクってしまったルイお兄様をノアがフラフラ

しながらも支えている。美しい兄弟が寄り添う

と美の暴力だな。私を即死させる気か?


「ノア、ノア?今、私は幻聴が聞こえたような

気がしたけれど......」


「い、いえ、幻聴ではないです。僕も聞きました。

確かに姉様は『本当です』と......」


2人して床に手を付き打ちひしがれているけど

それがまた絵になるぅぅ。


「お嬢様?早く登城して説明をしてきた方が

よろしいかと」


あ、そうだった。

エドに言われて我にかえる。

美形兄弟に萌えってる場合ではない。


「ルイお兄様、ノア!行きますわよ!!」


私は全身に力が入らないシスコン2人に喝を

入れてなんとか王城に辿り着いた。

案内されたのは皇帝陛下の執務室だった。

そこには皇帝陛下、側近のレオンお父様、

同じく側近のロレン様。アダン殿下とその側近

のミエル様、そしてイザーク殿下と側近の

アベル様が静まり返った部屋の中に居た。


「遅くなり申し訳ありません。ディアを連れて

参りました」


ルイお兄様が皇帝陛下に頭を下げた。

私とノアもそれにならう。


「ご苦労だった」


皇帝陛下のその一言を合図に私は顔を上げて

イザーク殿下の側に走り胸ぐらを掴んだ。

本当は皇帝陛下から顔を上げて良いとか言わ

れないと駄目なんだけどもう待ってられなか

ったし!!


「てめー!!ふざけんなよ?あれだけ話す

時は相談しろって言ったよなぁ?あ?お前の

耳は飾り物かぁぁ?」


「あ?そうだったっけ?いや、だってさ、前にも

言ったけどゆうちゃんさ、いつも俺が王都留守に

してる時になんかしちゃうじゃん?事件起こした

り巻き込まれたり。俺はそれをヘルプする為に

神様の野郎に頼み込んで転生させてもらったのに

全然役に立たってないじゃん?悲しいじゃん?

だったらもう全部カミングアウトして俺もゆう

ちゃんを守る一員にしてもらおうと思ったんだ

けど?」


お、お、お前......もしや神様の存在もゲロった

のかぁぁぁ?

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