第五章 元旦那です
いつも読んで頂きありがとうございます♪
第五章始まりました!
またゆるりと更新していきますので
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「ねぇ、エド?前に私がこの世界について
エドと一緒に勉強した時さ?この世界は
アグオス帝国しかないって、隣国はないって
確認したらそうだって言ったよね?」
「......」
「エルフ王国は隣国だったんだけど?それにあと
幾つか隣国はあるって聞いたんだけど。どういう
事なんだろうか?」
ある日のお茶の時間にエドとメルに美味しい
お茶を淹れてもらい美味しいお菓子を食べな
がら私は訊ねた。
「あ......。あれはまだお嬢様の正体が何者なのか
はっきりせずに色々疑っておりましたもので。
この世界について正確に教える事を止めていま
したから本人がそう思っているのなら『は
い』と言っておいたのでございます」
「へ、へぇ〜。そうだったんだ。エドは私の
事を最初から信じてくれてたと思って嬉しかった
のにな......。そうだったんだ......」
私は項垂れる。
「お嬢様?当たり前ではありませんか。今まで
お静かに暮らしていたお嬢様が突然に変な事を
言い出し、変な事をしだしたのですよ?
普通、警戒すると思いませんか?」
ふむ。確かに。
「そうかぁ。そうだよね」
「おや?お嬢様も先日17歳におなりになり
少し大人になりましたね。前のお嬢様ならまだ
タラタラと文句を言っていましたが」
チーズシフォンケーキのお皿を私の前に差し出し
ながらメルが微笑んだ。
え?私ってそんなんだった?
「そうですね。大人になりましたね」
エドも納得している。
ぐぬぬ。中身はおばちゃんなのに大人になった
とか。屈辱的だ。
そう、私は先週、17歳になった。
まだ学生の年齢だけど今は『女神の剣』も探さ
ないといけないから学園には通っていない。
本当なら学園に通ってお友達沢山作りたかった
な〜。でもさ、学園に色々迷惑かけちゃった
から申し訳なくて。ユーリ様はいつでも来て
いいとは言ってくれてるんだけどね。
それに女神様が私に憑依した時に18歳まで私を
守れって周りの殿方に言っていたから多分18歳
になったら魔王と対決するんだろうなって漠然
と思ってて。
だからそれが終わってから改めて学園に通わせて
もらおうと企んでいる。
ただ思うのは魔王と対決した私は五体満足で
生きているのだろうかという事だ。
そんな事を考えていたら突然にドアが開きルイ
お兄様とノアが慌ただしく入ってきた。
ルイお兄様は変わらずアダン殿下の側近に
して第一王子騎士団の隊長をしている。
今年20歳になった。
ノアは16歳になり神殿からの誘いを断って私の
専属護衛騎士になった。
神殿としては稀有な光魔法がじゃんじゃん使える
し更に『太陽神』の愛し子なノアには是非、神的な
存在として君臨して欲しかったようだけどその
誘いをアッサリと拒否。
「僕の力は死ぬまで姉様の為のものなので」
だってさ。幼い頃からブレないな。まだノアの
世界には私しか居ないようだ。
そんなノアは先程まで護衛騎士として私の部屋
に居たんだけどルイお兄様が突然王城から帰って
来たと知らせを受けて何事かと確かめに行って
たんだよね。
かなり焦った表情の2人を見て私は「?」な表情
をした。