悪魔の鏡③
私達は部屋の中へ入る。
何も無いガランとした部屋の中央にテーブルが
一つ置いてありその上に宝石がギラギラと沢山
付いている箱があった。
「この箱の中に保管してあります。皆さん4人の
紋章が浮き出る部分を出して箱の前にお集まり
下さい」
前国王様がこちらを見ながら言った。
紋章が浮き出る部分を出す?えっと。私は確か
左鎖骨下辺り......。
この上着を脱いで更に中のシャツから
鎖骨を出すようにするってことか?
男性ばかりの中でいいのかな?
いや、私的には別に減るものでも無いしスッポン
ポンでもないから出してもいいけど。
じゃあ、いいか。出すか。
私がいそいそと上着を脱いでシャツのボタンに
手をかけた時周りから痛いぐらいの視線を感じた。
「ディアは、な、何をしているのかな?」
私のボタンを外そうとしている手を柔らかく
掴みながらルイお兄様が言った。手が小刻みに
震えてるけど大丈夫かな?この部屋、寒い?
「え?私の紋章は鎖骨下辺りに出るので......」
「ディアはシャツになるだけでいいのではないのかな?」
そうなの?と、私は前国王様を見る。
「あ〜......。それでも大丈夫だと思う......。紋章
から出る光が共鳴すればいいから」
ルイお兄様とノアがホッとしてるのが伝わる。
そしてアダン殿下、サイラス様、聖女様から
残念的なオーラが。残念?私の鎖骨見たいか?
見てもただの鎖骨だけどな?
よく見ると後の3人はもう既に自分達の部分を
出してスタンばっている。早いな。
「ちょっとさ、空気読んでよ」
聖女様が不機嫌にそう言って私に近づき左側の
肩辺りのシャツを掴んで思いっきり引っ張った。
当然の如くボタンがブチブチと勢いよくちぎれた。
シャツがはだけて胸のぎりぎりまで露わになる。
「ほえぇーーー!」
思わず変な声出た!!胸、ギリギリセーフ!
実は私この世界の下着が苦手で......。
だってほぼコルセット。
ぎゅーぎゅーされて苦しいのなんのって。
この制服はダボってしてるし、シャツも
敵の剣で斬られてもある程度大丈夫なように
厚い生地でできているから透ける事はない。
そう思って今回は付けてなかったんだよね。
ワンピースやドレスの時はきちんと付けてるよ?
「「「「わぁぁぁぁぁぁ!!!何で下着を
付けてないんだ!?」」」
ノアと聖女様以外が一斉にハモる。
「僕は知ってたよ?あとノアもディアの傷の
治療したから知ってたよね?」
聖女様があっけらかんと言う。
「あ、え、はい......。で、で、でも、タオルで
そのう、メイドさんに姉様の体を隠してもらい
ながら治療しましたので決して見てはいません!!
本当です!なんならメイドさんに確認してもらっ
ても......」
ノアが焦っている。いや、医療行為だし私的に
は見られても大丈夫なんだが。