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悪魔の鏡


「ああ!ディア!神様に感謝します!

気分は悪くないかい?体で痛いところは

ないかな?」


ルイお兄様のドアップと共に矢継ぎ早に

質問される。

しかし本当に綺麗なお顔だ。何度見ても

飽きがこない……。


「私は……?」


「ディアはあの戦いから丸一日眠った

ままだったんだよ?体の怪我はノアに治して

もらったんだけど意識が戻らなくて……」


ルイお兄様の綺麗なお顔が悲しそうな表情に

なった。綺麗過ぎて震えちゃう。

そんなお顔もご馳走様です!


「エルフの王都は……」


「大丈夫。予想はしていたけどアダン殿下達と

エルフの騎士達で魔獣は撃退されていたよ」


良かった〜。


「その事を知ってるって事はやはりディアは

あの時何処かに居たのかな?」


ルイお兄様が優しく手を握ってくる。

うん。この感触は安心する。


「……震えてる?やっぱりまだ体調が……」


いえ、この震えはルイお兄様のドアップに

体が反応しているだけですから!


「えーと……体の方は大丈夫ですわ。

あの時は空中に浮いてルイお兄様達の戦い

を見ていました」


「そうだったんだね……。と言う事は

あの時にディアの中に入っていたのは……」


「キルア様です」


「本当にそうだったんだ……」


私の手を握っているルイお兄様の手にキュッと

力が入った。


「キルア様がルイお兄様を頼むって言って

いましたよ?私、任せて下さい!ってお約束

してきました」


「え?え?それはどう言う意味……」


ルイお兄様が何かを言いかけた時、勢いよく扉が

開いてノアが転がり込んで来た。

びっくりするわー!もー!


「姉様!意識が戻ったのですね!兄上!そうなら

そうと早くに知らせて下さい!皆心配しているの

ですよ!」


そのノアの言葉を合図に沢山の人達が部屋に

入って来た。


「皆さん、ご無事で……」


私は怪我一つない面々を見て安心した。


「いや、いや、かなり皆んな怪我してたから。

それ全部ノアが治したんだよね。そこら辺は

凄いって認めてあげるけど……」


聖女様がブツクサ言ってる。

そうなんだ。ノアは凄いね。

そう言えば聖女様は治癒力無いの?自分の体は

治せるよね?


「あ?今、お前は光魔法使えないのか?って

思った?うん。自分にしか使えないんだよ!」


半分キレながら説明してくれた。

そうですかー。


「ノア、お疲れさまでした。それとまた

私助けてもらってしまって。いつも

ありがとう」


「姉様?いつも言いますが僕の力は姉様

だけに使う為にあるのですからお礼は

いりませんよ?」


ノアがルイお兄様の横に並んで微笑んでいる。

ヤバい。この兄弟が並ぶと破壊力な。

タラ〜と鼻血が出てきた。

そうだった。私は鼻血キャラでもあったの

を思い出した。

その後私の鼻血を見て皆が慌て混乱状態に

なった。ごめんよ。

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