私の前世
私、白梅裕子の人生はそこそこ楽しかった
と思う。若い時はちょいとヤンチャもした
けどそのおかげで最愛の夫、セイさんこと
白梅誠ニと出会えたわけで……。
人間、多少道を踏み外すのもありのような
気もする……。自論です。はい。
私達夫婦は1人娘を授かった。
その娘も嫁に行き男の子を産んだのよ。
孫よ!孫!
私の結婚も早かったけど娘も早かったから
若いおばあちゃんの出来上がりさ。
が、しかし孫っちが可愛いので良しとする。
ホント可愛いのよ。
まーなんだかんだでそれなりの人生よね。
ただ、ただね、1つ残念な事が……。
私が娘を妊娠中にセイさんが事故死。
突然お星様になっちゃったんですけど⁈
ちーん……。セイさぁぁぁーーーん!
私とお別れするの異常に早くない⁈
結婚してまだ3年よ!3年!
まったくもー!泣いたよ!泣いた。泣きまくって
もう大丈夫。復活。
それからホニャララ年(年齢非公開だからね)が
経ち私は只今お一人様を満喫中。
自分の為に働き、自分の為に老後の貯蓄をして
自分の為に美味しい物を買い、たまに孫っちの
為にオモチャや服を買う。そんな第二の人生を
楽しみ始めた時にその古本屋を見つけた。
ある日の仕事帰り。その日は冬だったので外は雪が
降っていた。いつも買い物をするコンビニの前を通
り過ぎた辺りにぽわぁ〜と暖かな光が目に入ってきた。
「あれ?こんなとこにお店なんてあったか?」
そう思って扉を見る。
なんかとても気になるぅぅぅーーー。
少しお店の前をウロウロしてみた。不審者みたい
だな……私。
扉の横に『古本屋』と彫られた木の看板を発見。
「古本屋かぁ〜。私、あんまり本読まないんだよな」
と呟いたその瞬間 ドカァァァーーーーン!!!!
え⁈ は⁈何か爆発したような音がしたけど?
ほぉえ?なんだ、扉が開いただけか。
なんとも派手だな。自動ではないみたいだけど勝手に
開いたような……。うん。私、触ってないし。
とりあえずビックリしたから中に入ってみるかな。