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僕の愛しい人③


私キルア様はキョロキョロして

周りを見てる。

何かを探しているみたいだ。


「は?お前こそ『ディア姫』って何?

死んだ奴が王子様気取りなわけ?更に気持ち

悪さ倍増だよ」


悪魔がふがふがと怒っている。

そんなのも完全に無視して私キルア様は

お目当ての物を見つけたらしい。


「お!」


と、一言発して走り出した。


「待て!僕の愛しい人の体で何処へ行く?」


悪魔が叫ぶ。

私キルア様は立ち止まり言った。


「その『僕の愛しい人』って呼び方止めろ。

それこそ気持ち悪いぞ?なぁ?ルイ?」


私キルア様は足元に落ちていた木の棒を

拾い上げながらルイお兄様を見て

話しかける。


「……本当にキルアなのか?」


ルイお兄様は小さな声で問いかける。


「ああ、ディア姫を助ける為に少しだけ降ろして

もらった。ほら、ルイもノアもボケっとして

ないでアイツ殺すぞ?」


私の顔でニカっと笑う。


「本当にキルア様なのなら

姉様はどうなっているのですか!?

もしや……」


はっとしたノアが真っ青な顔で叫んだ。


「あ、え?勘違いするな!大丈夫だ!

きちんと生きてるぞ!今は……多分

安全な場所からこっちを見てる?かな?」


「何で『かな?』なんだ?確信して

いないのか!??キルア!

今のディアの状況をきちんと把握している

のか!?」


ルイお兄様も真っ青だ。


突然悪魔がその3人の会話に割って入ってきた。


「僕を殺すだって?無理だと思うけどな〜」


悪魔が呆れたように言う。いや、悪魔よ、

中身がキルア様だからいけるかもしれんよ?

私のままなら無理だけど。


私キルア様は先ほど拾い上げた木の棒を

ブンブン振り回してルイお兄様に言った。


「ルイ、この棒にお前の魔力を入れてくれ。

ほら前にディア姫がエドにしてもらった

やつだよ」


「あ……。わ、分かった」


「それとノアは好きなように戦ってくれ。

俺は援護するから」


そう言うと私キルア様はポーンと飛び上がり

ルイお兄様とノアの隣に行った。


「最初に……ノア、お前の力でこの顔を

治癒してくれ。目が腫れてるから視界が

狭くてかなわん」


私キルア様はノアに顔を近づけた。


「……酷い……。こんなになるまで

殴るなんて。姉様、頑張りましたね……」


ノアは半べそになりながら私キルア様の顔を

両手で挟み込みおでこにチュっとキスを

した。なぬ〜!?キスとな!?


するとパァーーーーと一瞬私キルア様の顔が

光り元の私に戻った。


「いや、ちょっと!!治療するにしても

普通に手をかざすだけでいいんじゃない?

勝手に僕の愛しい人にキスしないでくれる

かな!?あーもー!腹立つなぁ!お前達

殺すね。あ、僕の愛しい人は勿論殺さない

から安心してね。でも今は中身が気持ち悪い

男だかから多少の傷は覚悟してよね?」


悪魔はふふふと笑ったと思うと瞳の色が

銀色から紫に変わった。


それと同時にノアのオーラも変わった。

今まで見た事もないぐらい攻撃的だ。

私は上からハラハラドキドキ見守るしか

ない。


ノアと悪魔がもの凄い速さで剣を交えて

いる。そう思っていたらもう2人悪魔が

増えた。いや、これまた分身の術だ。

私キルア様とルイお兄様にノアのサポート

が出来ないよう分身の2人を作ったみたい。


そも2人が私キルア様に向かって攻撃

してきた。氷の矢を一斉に放ってきたのだ。

ルイお兄様の魔力が流れている木の棒で

私キルア様は難なくその矢を打ち落とす。


「わぁ……本当に木の棒で戦ってるよ。

見てて可哀想になってくるねぇ」


「本当だね。これじゃあ伝説の女神の名が

泣くんじゃない?」


悪魔2人が私キルア様を見てクスクスと

笑い馬鹿にする。


は?この戦い方は凄いんだよ?なんせ

私のずば抜けて凄い身体能力と他の人の

魔力のコラボだからね!それに今回は

キルア様とルイお兄様とのコラボだもん。

お前らなんか秒で殺すよ?

多分だけど……。

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