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エルフ王国の街②


足元に聖女様の首が転がって私のつま先に

コンとあたった。めちゃホラーだ。


「お嬢様、失礼します」


メルカルロがそう言って私を首の無い聖女様

の膝上から持ち上げて今まで自分が座ってい

た席に移動させられた。代わりにメルカルロ

が首の無い聖女様の隣に座る。

そして一瞬で聖女様の血を消し去った。


私も次男王子様もメルカルロも馬車の中も

爽やかになった。


「え?メルカルロはこんな魔力も使えるの?」


「はい。お嬢様」


ニッコリと微笑む。

その横の聖女様の首から突然ニョキニョキと

頭が生えてきた。ひょえ〜!怖っ!


「ふぅー。まさかエルフの王子様に首切られ

るとは思ってませんでしたよ?」


聖女様が青スジ浮き上がらせてるし。

そして自分の生首を持ち上げてシュッと

消してるし。手慣れてるな……。

ポレットに散々やられてたんだな。


「女性が目の前で嫌がっているのに何もしな

い男性がいますか?とても不快でしたので」


ニコニコ顔のまま答えとる。


「まぁ、今のでエルフの魔力は僕を傷つける

事が出来るというのが分かったので良しと

しますが……。何故従僕とディアの

位置が変わっているの?」


「もうお嬢様に聖女様を近づけたくない

ので。それとこの事はルイ様に報告させて

頂きますよ?」


「は〜。面倒くさい事になりそう。今世は

障害が多いな。僕のディアなのに」


聖女様はブツクサ言いながらぷいっと窓の外

を見始めた。


私は横に座っている次男王子様と正面に座って

るメルカルロに小さな声で『ありがとうござい

ます』とお礼を言った。


2人共目を細めて微笑んでくれた。

ふふふ。そっくりさんだ。


街に到着して直ぐにルイお兄様とノアが私達

の馬車に走って来た。


「先程、エルフ様の魔力を察知したのですが

何かあったのですか?ディアに何か……」


焦っているルイお兄様とノア。

本当に私の兄と弟は世界一いい男達だな。


馬車から1番最初に降りた聖女様がルイお兄様

に言った。


「僕の首が切り落とされただけだよ」


ふん!と鼻息荒くドカドカとアダン殿下と

サイラス様の所に歩いて行った。

もー。子供みたいだ。


「首を……?」


ノアが聞き返す。

メルカルロが馬車内で起こった事を説明

し始めた。見る見るルイお兄様とノアの

顔色が悪くなる。


「大丈夫です。助けて頂いたので」


私は今にも剣を抜きそうになっている2人を

そう言って宥めた。こんな街中で止めてね?


「それにしてもエルフ様の魔力は聖女様と

戦えるのですね。アグネスではアダン殿下と

サイラス様と私だけなのですが……」


ノアが次男王子様を見た。


「ふふふ。エルフの魔力は意外と凄いの

ですよ」


うん。エルフ王国を敵にしては駄目って事

だね……。

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