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side エルフ前国王 シューピオ⑦


私は悪魔の鏡を厳重に保管した。ポレットの

指示通りに4人の紋章が揃わないと絶対に

開かない箱に入れる。


「ありがとう、シューピオ。恩にきる」


「何てことはないよ。だけどポレット?これ

から何をする気?ポレットの魔力量は膨大な

のにアグオス帝国を守る魔力が確保

出来ないなんてさ、そんなに魔力を使う予定が

あるの?」


私は少し嫌な予感がしていたのだ。


「ふふふ。そうだね。あくまでも『使うかも』

だからね。心配しなくてもいいよ」


ポレットは何か吹っ切れた様に笑った。


「教えてはくれないよね。そうだよね。

えーと、あーと、うーんと、前から考えて

いたんだけど私の伴侶になって欲しい!」


あ。焦り過ぎてしまった……。ぽろっと

プロポーズをしている自分がいた。


「ほ、ほら、今度はいつ会えるか分からない

よね?だからこの機会を逃したくなくて……」


私は慌てて言い訳をしている。

情けない……。


ポレットは元から大きい瞳を一瞬だけ更に

大きくして驚いたようだったが直ぐにいつも

の表情に戻った。


「……そんなふうに思ってくれていたのか。

ふふふ。嬉しいけどね、私はこの世界に存在

した時から魔王を消すという神の指令を受け

ていてね……。それを遂行する事だけしか頭

にない。だから誰の伴侶になる事はないのだよ」


ん?何だろう?よく聞こえなかったな。

とりあえず私の気持ちをもっと伝えてみようか。


「ポレット以外に側妃を持つつもりも無いんだ。

私の子供を産んでくれないかな〜」


「その気持ちは有難いが他の女性を選んでくれ。

私では駄目だ」


うん?ポレットが何かを言って微笑んでいるな。

でもプロポーズに対する答えではなさそうだ。


「直ぐに返事しなくてもいいよ?あ、この鏡を

受け取りに来た時にでも聞かせてよ!ね?」


私の言葉にポレットが苦笑いした様な気がした。

何故だ?何かおかしかったのか?


「またな」


とポレットが微笑んで帰って行った。

その後ろ姿を見てやはり好きだ。大好きだと

思った。


それからまもなくアグオス帝国の勇者達が

魔王を討ち取ったと情報が来た。

悪魔の鏡なんか必要無かったか。取りに来る

前に事が済んでしまったらしい。

流石だな。私の親友達は凄いのだ。

何か祝いの品でも送ろうか?そんな事を

考えていた時だ。


ポレットが行方不明になったとアーサーから

連絡がきたのだ。エルフの国に来てはいない

だろうかと……。

ポレット?何故だ?魔王を討ち取ったのだろう?

だったらもう神からの任務は終わったのでは

ないのか?悪魔の鏡は?取りに来ると言っていた

ではないか。

それなのに何処へ行ってしまったのだ?

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