表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
287/318

side エルフ前国王 シューピオ⑤


私は皆について討伐に行っていた時、

悪魔が何処にいてどの方向から攻撃してくるの

かは教えているがエルフの魔力は殆ど使って

はいない。


皆を心から信頼してはいる。だがやはり

一国の王としてエルフの魔力を他国に見せる

事は出来ないと思っている。それなのに彼ら

の戦い方はしっかりと会得して帰ろうとして

いるのだ。多分その事はポレットも皆も分かっ

ているに違いない。

それでも彼らは何も言わない。


そんな彼らが大好きになり私は中々国に帰れず

にいた。側近達にはそろそろ……と口煩く

言われるようになってきた。

そんな時だ。


「シュー、そろそろ国に帰らなくてもいいのか?

前に言ってた国を任せてきた弟さんも大変に

なってきてるんじゃないのか?」


アーサーがそう言ってきた。


私が留学して丸2年が経っていた。確かに弟には

そろそろ負担がかかってきている頃だろう。


「もしかして側近達から聞いたの?」


側近達は姿が見えない。この話題になった途端に

姿を消した。


「あ……まあ……な。でもさ、国王不在で

何かあったら大変だろう?」


「う……ん。そうだけど……」


「ほら、永遠の別れってわけでもないんだし。

な?向こうから王を返してくれなんて言われたら

こっちの頭の悪いトップ達がどんな難癖つけて

くるか分からないだろう?」


アーサーは基本優しい。自国の事でもないのに

色々心配してくれる。


「……そうだね。一回帰るよ」


私は後ろ髪を引かれる思いで彼らに別れを告げ

エルフの国に帰ったのだ。


「兄上〜〜〜!!!もう帰って来ないのかと

不安で、不安でーーーーー!」


そう言って迎えてくれた弟の目にはクマが出来て

いて3年前より痩せて一回り小さくなっていた。

すまない……。


暫くの間は政事に没頭した日々を過ごしていた。

悪魔達が頻繁に現れ国で暴れる様になったのだ。

騎士達にポレット達がしていた様な戦い方を

教えるが上手くいかない。


そうか。あの戦い方はあの4人でないと成立

しないのだ。誰も真似など出来ないのだ。

それを4人は知っていたから私に何も言わず

戦い方を見せていたのだろう。

ふふふ。流石彼らだ。私の親友達だな。


そんなある日だ。それは突然だった。


「シューピオ様!アグオス帝国のポレット様が

謁見を申し込んできました!」


なんと!きっともう会えないであろうと思って

いた初恋の相手から!これは運命かもしれないな!


「いいえ、そのような甘い雰囲気は一切ございません

でしたよ?勘違いしてあまり気持ちの悪い事を

言われませんように……」


……?口に出して言っていたのか。

嬉しさのあまり……私とした事が……。

しかし相変わらず側近達はハッキリものを言う。

長い付き合いだ。許そう。


それから数日の間ポレットが指定してきた日にち

を心待ちにしている私は全てが上の空だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ