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前王シューピオ


聖女様が何か言おうとしてたけどアダン殿下

に口を塞がれてモガモガしている。

その隙にルイお兄様が2人の王子様に言った。


「ご無礼をお許し下さい。クラウディア様

は我が国でもその様に気軽に触れても良い

方ではないのです。ご理解下さい」


ノアと2人で私を後ろに隠しながらしっかりと

頭を下げている。ありがとう……。

守ってくれてるんだね。それなのにおばちゃん

もうしばらく手を洗わないとか浮かれちゃって

ごめんよぅ。


「兄上、私からもお願い致します。女神様は

唯一無二の存在です。ですから……」


長男のミル……何だったっけ?がメルカルロ様の

頭をポンポンして言った。


「分かったよ」


優しい笑顔だ。


「こちらこそお会いでき興奮して

しまいました。申し訳ない。ご無礼を

許してもらえるだろうか?」


私達の方を向きそう謝罪してきた。

なんて出来た人だろう。この方が次の国王様

なんだよね?現国王のプリィー様も良いお人

だしエルフの国は安泰だな〜。


「勿論ですわ。気になさらずに」


私は微笑んだ。


「ぶほぉぉぉぉーーーー!」


その声に皆んな一斉に振り返った。

扉に隙間が開いていてそこから変な声が聞こえ

てきたらしい。


扉が静かに開くとそこには銀髪の美少年が口元

を両手で覆いながら立っている。

ん?更に弟王子様がいたのかな?


「ほら、お祖父様。早くこちらへ。これ以上

お待たせしては失礼ですよ?」


長男王子様が……もう名前覚えるの諦めたんで。

お祖父様と呼んでその美少年に近づいて行った。

ん?お祖父様?……お祖父様!?

どう見ても15、6歳にしか見えんぞ!?


長男王子様に無理矢理連れてこられた美少年は

モジモジしながら私を見ているような気がする。


「ご紹介します。私達の祖父にして前王の

シューピオです」


紹介されたけど私とルイお兄様、ノアは驚いて

声も出ず。エルフ族は長寿だとは聞いてい

たけど、それにしても……。


「シューピオ!久しぶりだな!少し成長し

たか?身長が高くなってるな!」


サイラスがニコニコしながら美少年に近づく。


「ああ、その自信の無い感じは1000年経っても

変わらないのか?」


アダン殿下が呆れた様に言う。


「全然劣化してないんだね。綺麗な

お顔はそのまま変わらない!悔しいなぁ!」


聖女様がフンと鼻を鳴らす。


「皆んなぁぁぁ!会いたかったよぉぉぉぉ!」


美少年がサイラスに抱きついている。それを

アダン殿下と聖女様がニコニコしながら見守って

いる感じだ。


私達ヴィンセット家の3人だけ置いてきぼりだ。

あの3人が知ってるって事は本当に前王様な

んだね。いや、疑ってはいないけれども。


そして前王様はチラチラと私を見ながら

真っ赤な顔をして小さな声で言った。


「それで……そのうぅ……あの時のお返事を

お聞かせ頂けると嬉しい……の……ですが……」


あの時の返事?どの時の?

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