お兄様2人
「兄上、お久しぶりでございます」
メルカルロ様が綺麗なお辞儀をし
美青年2人に挨拶をした。
あ、お兄さん2人か!
「ああ、メルカルロ、久しぶりだな。
息災であったかな?お祖父様が中々
踏ん切りがつかないようで
最初に私達が挨拶をしに来た」
そう言った美青年の方はメルカルロ様とは
少し違った美青年だ。銀髪にアメジストの
様な瞳でキラキラのいわゆる『王子様』です!
って感じ。きっと微笑みかけられたら惚れて
しまう女子続出だ。
もう1人の方はメルカルロ様と似ていて黒い
髪にエメラルドの様な瞳だ。メルカルロ様は
どちらかと言えば女性ぽい顔立ちなんだけど
こちらの方は男性らしく凛々しい感じ。
王子様キャラの方がアダン殿下に挨拶してきた。
「ようこそ、ポジタールへ。私は第一王子の
ミルメルロと申します。こちらは第二王子の
ナルマルロです」
2人で胸に手を当てて軽くお辞儀をする。
あ?何だって?ミル……メ……?ナ……ル?
覚えられーーーーーん。どうしてそんなに
複雑な名前なんだ!?もっと覚えやすいのに
してくれないか?
そう思ってあたふたしていたら聖女様がクスクス
笑っている。
「覚えれないんでしょう?昔から人の名前覚える
の苦手だったもんね。勝手にあだ名付けて呼んで
たし」
えー?そうだったのか!今に始まった事では
ないのね?そうなのね?じゃあいいか!
「アグオス帝国の王太子、アダンです。それと
アーサー王の生まれ変わりでもあります。この度は
大変お世話になります」
アダン殿下が深々と頭を下げたので私達も皆頭を
下げた。
「こちらが大魔導士のサイラス、聖女の
ブライアン、そして女神のクラウディア嬢。
そちらの2人はソードマスターのルイと
聖騎士のノアで2人は護衛騎士になります」
アダン殿下の説明を受けて2人の王子様は瞳を
キラキラさせて私達に近寄ってきた。
「貴方達があの伝説の勇者達ですね!お会い
するのを楽しみにしていました。そして
そちらのご令嬢が『金色の女神様』……。
お会いできて光栄です」
そう言って2人がそれぞれ私の右手と左手
の甲にキスをした。
むほぉぉ!おばちゃん、しばらく手を洗い
ませんからぁ〜!
「あ、え。私こそメルカルロ様には大変お世話
になっていましてそのお兄様方にお会いできて
嬉しく思っております」
うん。上手に挨拶を返せたんじゃない?
すると2人の王子様はそれぞれに私の手を
握りしめて離さない。何事だ?そして
私の瞳をじっと見つめてきた
「お祖父様が虜になるのが分かりますね」
「本当に貴方の周りだけ空気が違う」
え?え?2人の美青年にグイグイ来られて
おばちゃん困るわ〜。そう思っていたら
聖女様、ルイお兄様、ノアが私から
王子様2人を引き剥がした。