1週間後
「ですからルイもノアもしっかりとディアを
守るように。お願いね?」
ローズお母様はノアを抱きしめながらルイお兄様
を見て微笑んだ。
「「勿論です!!」」
2人はハモって返事をした。
ローズお母様もノアも椅子に座った。
ローズお母様が私を見て
「話し合いの場で聖女様を制圧したのです
ってね?流石ディアだわ。その時のディア
がとてもカッコ良くて可愛いかったと
お父様から聞いたわ。私もその場に居たか
ったのですけれど……。残念ですわ」
と言いもの凄く悲しそうな顔をした。
制圧って。制圧か……。
「駄目、駄目!あんなガラの悪い私をローズ
お母様に見られたら泣いちゃうよぉ」
思わず本音が出てしまった……。
「そんな事はなかったよ?勇ましくてカッコ
良くて私は体が震えたよ?そして今の異世界語
を話すディアも可愛すぎて……死にそう……」
ルイお兄様がその時の事を思い出しているのか
頬が赤い。いや、いや、震えるってなんかの
病気じゃないのかい?
皆んなの雰囲気がふにゃふにゃになってきた
ところでレオンお父様が気を取り直し話始め
た。
「ローズ、聞いてくれ。あの話し合いの結果だ
が1週間後にエルフ王国へディア、アダン殿下、
サイラス殿、聖女様が悪魔の鏡を受け取りに
行く事になった。ルイはアダン殿下の護衛と
してノアはディアの護衛として同行する。
良いだろうか?」
「勿論ですわ。2人共しっかりお役目を果たし
てきなさい」
ローズお母様が誇らしげだ。
「旦那様、発言をお許し下さい」
エドが頭を下げてレオンお父様に言った。
「何だ?」
「その人数で危険はないのでしょうか?いくら
エルフ王国に悪魔は入れない、来ない、と言われ
ていても護衛が少なすぎると思われます」
「普通だとそう思うだろう。しかしアダン殿下
率いるサイラス殿、聖女様は想像を超える魔力
を持っている。更に悪魔に対応できる技術もある
し何より悪魔に詳しい。その様な人達と行くのだ。
ディアは安全だ。悪魔以外はルイとノアが対応
出来る」
「ですが……」
「エド、すまないがあまり大勢はエルフ王国に
入国出来ないのだ。国自体が異質な物を排除する
魔力がかかっているゆえ大勢で来ると防衛魔術が
発動して攻撃されてしまう。この人数でギリギリ
だ」
メルカルロ様が詳しく説明をしてくれて申し訳な
さそうに頭を下げた。
「エドも一緒に来て欲しかったのだけれどそう
いった理由があるので今回はこちらで待機して
いて。ね?何かあれば直ぐに連絡するので
その時はレオンお父様と一緒に来て欲しいの」
私はエドの手を握ってお願いする。
「分かりました……」
エドは俯きしょうがないといった感じで呟いた。