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パーティーの後で②


「あ、俺も異世界人でディアの旦那だった

んだよね」


うゎーーーーー!そこまで言わなくても!

それはエドとアベル様だけが知ってるだけ

でよかったのにぃぃぃ!


「え?は?それは前世で伴侶だったと

いう事ですか?」


「そう。色々あって一緒にこっちに転生

してきたってわけ」


イザーク殿下は得意げに説明している。


「伴侶……ですか。そう、伴侶……」


だよね。そうなると思ったよ?

メアリーは幼い頃から一緒に居るし私の

お姉さん、いや違った。

お兄さん的な立場でもあるからいくら

前世での事だといってもね?

驚くよね?


「はーい!その話はそこまでです。また

今度ゆっくり説明するね?だからイザーク

殿下が異世界人だったって事はここだけ

の話にしてもらえると助かりますわ」


私はイザーク殿下を睨みつけて話を強制終了

させた。


「……。そうですね。分かりました」


メルカルロ様がニッコリと笑ってくれた。

よかったよ……。


「イザーク殿下も引き続き誰にも言わない

ようお願いしますね?」


「えー?ディアの前世での夫だって

自慢したいのに!」


ぶっ殺すぞ。

自慢なんかにならんから!

誰も羨ましがらないからね?


「そんな事は自慢にもなりません

わよ?」


私は青筋を立ててニッコリ微笑んだ。

イザーク殿下はその雰囲気を察知したのか

小さく頷く。


「分かった。ディアのOKが出るまでは

誰にも言わないよ……」


それでよろしい。


イザーク殿下が帰った後メルカルロ様が

紅茶を淹れながら言った。


「異世界人の時の知り合いも一緒に

転生してるだなんてお嬢様の転生は

私が計り知れない因縁があるのですね。

及ばずながら私も少しでもお力になり

たいです」


な、な、なんて、できた人なんだろうか。

おばちゃんは感動した!


「悪魔の鏡を保管していてくれただけで

もかなり助かってますわ。メルカルロ様の

そのお気持ちだけでも嬉しいです」


紅茶を受け取りながらお礼を言う。

するとメルカルロ様が真っ赤になって

俯いてしまった。

何故?


その夜、レオンお父様に話があると

呼ばれて書斎に行った。


「聖女様の事なのだが……」


「はい」


「聖女様の名前はブライアン・ブロストと

言ってブロスト殿の従兄弟の息子だ。

息子なので聖女様と呼ぶのもどうかと思う

のだが本人がそう呼べと言っているらしい。

今まで田舎の街に住んでいて殆どブロスト殿

とは接触していなかったそうだ」


レオンお父様は紅茶を一口飲んでため息を

ついた。


「今はサイラス殿と同じく王城に滞在して

いるとの事だ。ルイがディアにした失礼な

態度を謝罪して欲しいと何度も掛け合って

いるそうだが『僕と女神の仲だからあれは

いつものじゃれ合いだ。謝る気はない』と

言っている。そしてディアに合わせろと

毎日言ってアダン殿下を困らせている

そうだ」


や〜。そうだよね。あの性格はそうなるわ。


「私、謝ってもらわなくてもいいですわ。

少し驚きましたけど大きな怪我もなかった

ですし。ルイお兄様にはもう掛け合って

もらわなくても。ふふふ。でもルイお兄様

ったらそんなに怒らなくても」


でも私を思ってそう行動をしてくれた

ルイお兄様には感謝している。


「ディア?本来なら笑い事ではないのだよ?」


レオンお父様の低く不機嫌な声が響いた。

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