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パーティーにて④


「さて……」


息子はニヤッと笑って私のドレスの首元に

手をかけた。次の瞬間、ビリビリと布を

引き裂く音がした。


うん。なんか首元から左肩までスースー

するよ?目線を左に移すと無惨にも

左鎖骨の辺りまでドレスがズタボロに

されていた。

レオンお父様やローズお母様とお揃いで

1番気に入っていたのに……。


「ほ〜ら。お前の鎖骨の下に僕と同じ

紋章が出てるよ?いいねぇ。お揃いだ」


そう言いながら息子は自分の右手の甲を

見せてきた。本当だ!アダン殿下と

サイラスと同じ紋章がある。そして私の

紋章は左鎖骨の下なんで床ドンされている

姿勢からは見えない!


自分の見たいのに!

そう思って身をよじってみたけど全然

動けん。ふがふが言っていたら突然に息子が

ニヤリと笑い私の紋章が浮き出ているで

あろう左鎖骨の下を舐めてきた。


「ヒッ!ヒエェェーーーーーー!何してくれ

てるんだよ!この変態め!それに私とだけで

なくアダン殿下とサイラス様ともお揃いだろう

が!」


私は足で息子を蹴ろうとしたけど息子の両膝で

ドレスのスカート部分の端っこを押さえられて

いるので全く動けず……。


「わぁ!その可愛い話し方は異世界人の?

ポレットのぶっきらぼうな話し方もグッときて

たけどこっちも良いね!トロンってする。媚薬

みたいな効果あるんだ?その話し方するって

事は誘ってるの?」


「そんなわけあるかい!」


シールドの外には聞こえないって事で

どんどんおばちゃん語になっていく私。


「ふふふ」


しかし、これシールドの周りに居る人達から

見たら確実に襲われているよね。

いや、本当に襲われてるんだけどさ。

レオンお父様、魔力暴走しないといいけど……。

ルイお兄様、会場を凍らせてないといいけど……。


息子に覆い被さられてるんでイマイチ周りが

見えなくて……。


「ふーん。落ち着いてるね?こんな事されて

怖くないんだ。やっぱりポレットだねぇ」


「女神様も落ち着いてた?」


「うん。いつも落ち着いて僕の手を切り落としたり

首切ったりしてたよ?」


待って。意味が分かりませんが……。


「僕、ポレット好きすぎていつもどこかしら

触ってたんだよねぇ。そしたら触った手を

スパーンと切ったりしてきて可愛かったよ?」


えっと。私はどういう反応したら正解なのかな?


「あ、僕の聖力で直ぐに手も元通りに治癒出来る

から何も問題ないんだ。ポレットもそれを知ってて

やってるから。じゃれ合いみたいな感じだよ?

ラブラブでしょう?」


そうなの?そうなのか?女神様、本当は心の底

から嫌だったんじゃないのか?


「だからさぁ、お前ともそんなラブラブな関係に

なりたいわけ。記憶ないのは残念だけど今の

お前も面白そうだし見目が同じだから良しと

するよ」


なんで上から?


「私は今のところ誰ともラブラブになる

つもりはないから。勝手に決めんなよ?」


「あ?怒ってる?でも可愛いだけだから

怒るだけ損だよ?」


うわーこの人、人をイライラさせる達人

かも。殴りたい!もう一発殴らせろ!

手を浮かそうとしたら息子は片手で楽々と

私の両手を頭の上に持っていって床に

押し付けた。全然動かせない。

馬鹿力?それとも聖力?


「で?貴方はこんな事してどうするの?

お父様が大変な事になってると思うけど。

普通に話しかけてくれれば良かったのに。

『僕聖女です』って。それじゃ駄目だったの?」


「うーん。お前を見た途端興奮しちゃって。

親父?別にどうなってもいいよ。関係ない。

ついこんな事しちゃったからお前と一緒に

逃げようかなぁ〜」


そうヘラ〜と半笑いで言う息子にムカついて

いたらパキーーーーーーンって大きな音が

響いた。


驚いて周りを見渡すと息子が張っていた

シールドが解除されていた。

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