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私の中の何か③


「ディア!」


ルイお兄様が素早くハンカチで私の鼻を押さえ

てくれたがそのハンカチもみるみる血に染まっ

ていく。


この状況……私がルイお兄様と愉快な仲間たち

の筋肉に興奮して鼻血出たっぽくないか!?

違うからね!これは『何か』のせいであって……

その……あのう……うがぁぁーー!

鼻血が止まらないせいで頭がボヤけてきたぞ。


「エドとメアリーは何処に居る!何をして

いるのだ!」


そう怒鳴りながらルイお兄様は私をお姫様抱っこ

をした。


すいません……。2人は私が山の中でまいてきま

した。もう認めます。はぐれたのではなくまき

ました!!

エドもメアリーも魔力使っちゃダメだからか私

を探し出せずにいるのだろうか?

ご、ごめんよ〜。ルイお兄様がカンカンだ。


「うわ!ディア姫、何見ての興奮だ?鼻血の量

が凄いことになってるぞ」


キルア様が駆け寄って来た。

それな!今、私が1番危惧してたやつな!

違うから!皆んなに誤解されるような言動は謹ん

でくれたまえよ!しかし……。

私が考えてることを見抜いてるようなところも

セイさんと似てるな……。


「ルイおにぃーじゃま……わだぐじ、じゅぶんで

あるげまずわ。ごのままでば、おめじものにわだ

ぐじのぢがづいでじまいまず……」


もー!鼻血で鼻が詰まって上手く話せないんだけど。

結構出てるよね?血。マジで危なくない?


「ディアから出るモノなら血でもなんでも大歓迎だよ

気にすることはないからね」


そう言いながら私を抱きながらスタスタと歩き休憩所

になっている小屋まで運んでくれた。


私の『ばびぶべぼ語』を完全に理解してくれて

ありがとう。しかし……だ。血でもなんでも大歓迎

してくれるんだ……ね?『なんでも』の部分は知らない

方がいいような感じがするので追求はしないよ?

……大歓迎か。ルイお兄様は時々言葉のチョイスが

変である。


小屋の中にあるソファーに横にしてもらって上を

向く。すると少しずつ鼻血が止まってきた。

とりあえず死なずにすみそうだ。


気がつくとルイお兄様と愉快な仲間たちが甲斐甲斐し

くお世話をしてくれていた。

キルア様はお湯を持ってきてくれてルイお兄様はその

お湯で温めたタオルで私の顔を優しく拭いてくれている。

愉快な仲間たちは私が屋敷に戻れるよう馬車の手配を

してくれているようだ。

そっか、皆さんここまではそれぞれ馬に乗って来てる

から……。ここに馬車はないのだよね。


「ご、ごめんなさい。皆さまに大変ご迷惑をおかけし

てしまって……」


顔を拭かれながら謝る私。


「迷惑なんかじゃないぞ?気にすんな。やっぱり

あれか?俺らの筋肉がそんなに良かったのか?」


そう言いながらキルア様が頭をなでなでしてくる。

その手をルイお兄様がバシッと叩いた。


「キルア!さっきから冗談ばかり!ディアの体調

不良はそんな軽いものではないのだぞ!もしも

ディアに何かあったら私は……」


そこまで言って私をギュッと抱きしめた。


「悪かった……」


キルア様が謝る。

いや、いや、悪いのは全て私なんだけど。

キルア様はこの場を和ませようと気を遣っての冗談

だったんだよね?

だってルイお兄様の顔色が私以上に悪くて

冷静を装ってたけど結構焦ってたのが伝わって

きたし、そんなルイお兄様を見て愉快な仲間たちも

オロオロしてたし。


ありがとね。キルア様。

ありがとねルイお兄様。

愉快な仲間たちにも感謝だよ。


その日から私は運動を禁止された。

そうだよね。それは納得だ。

この件でエドとメアリーがレオンお父様から

お叱りを受けたと聞いて私は速攻で謝った。


「なんともございません。お嬢様とはぐれて

しまったのは私のミスでございますので……」


メアリーが青い顔をして笑顔を作る。


「そうでございます。お嬢様を見失った我々が

悪いのです」


エドも顔色が悪い。


こりゃお叱り度マックスだったみたいだ

ね……。怖かっただろうな……。

ホントごめんね。

私は暫くの間、大人しくすることにした。

だって貧血みたいに倒れたりするぐらいなら

いいけど血だよ?流血だよ?

何なんだよ!私は一体何を育てているんだ

よぉぉ〜。

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