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2人の恋の行方


「ディアのエスコートは私がしますので

申し込みは受け付けません。よろしい

ですね?」


アダン殿下が私に何か言おうとしたら

ルイお兄様が大きな声で叫んだ。

うお!流石騎士団長だな。

声が通る。


アダン殿下が悔しそうな顔を一瞬だけ

したように見えたけど気のせいかな?

ノアも先越された的な雰囲気だけど。

ルイお兄様もノアもバリバリのシスコン

だからなぁ。でもここはお兄様に譲ろう

ね?


「いいですよね?父上?そしてディアも

いいかな?」


ルイお兄様がぎゅーと私を抱く腕に力を

入れて訊いてきた。

少し震えている。

きっと断られたらって思ってるんだ。


「はい!ルイお兄様、よろしくお願いします!」


「本当に!?」


「はい!」


「ディアが良いのならかまわない」


「ありがとうございます。父上、ディア」


ルイお兄様の綺麗なお顔が更に輝いている。

私なんかよりよっぽど女神様だ。


「じゃあ、決まりだな。そこで聖女様が見つかれば

良いのだが……」


皇帝陛下のその言葉で今回の話し合いは

お開きになった。


そしてそのパーティーには勿論エルフの王と

エルフの王子様も出席してもらう。

その為しばらくの間お2人にはヴィンセット家に

滞在してもらう事になった。


エルフ国は王様が不在で大丈夫なのかと

訊いたら長男さんが王代行をしてくれている

らしい。もう既に素晴らしい跡取りが育って

いるそうだ。


因みにユーリ様の奥様のイレーネ様も

エルフ族だ。しかも王族とは遠縁に

あたるらしい。

メアリーを一度見た時に王子様だと

分かったそうだけど性別まで変えてこちら

に居るって事は何か事情があって動いて

いると察してユーリ様には言わなかった

そうだ。


ユーリ様は家族に秘密は無しだと言って

いたけど妻は違ったらしい。

まあ、人生そんなもんだ。


で、何故か私の従僕が2人になった。

メルカルロ様はもうエルフ王と同じお客様

扱いにさせてくれと頼んだのにガンとして

このまま私に仕えていたいと言って譲ら

なかったのでそうなってしまったのだ。


今までのメアリーの仕事を従僕の姿でやる

だけなので仕事的には変わらずなのだけど。

着替えだけは禁止になった。

全て他のメイドさんに着せてもらってから

ヘアメイクだけはやってもらう事にした。

だってメアリーもといメルカルロ様の腕は

確かなので。


エドと同じ制服を着たメルカルロ様は目

から血が出るんじゃないかと思うぐらい

色男で困った。エドもどんどんカッコ

よく育ってきているのにいい男が2人も

部屋に居たら落ち着かない。


ん?あれ?

確かメルカルロ様とエドって付き合ってい

たのでは!?エドは正体知らずに付き合っ

てたのか!?

私はチラチラとエドを盗み見る。


「お嬢様?どうかしましたか?」


至って普通だ。

って事は!?男性だと知っていた?

知っていて付き合っていたのかい?

うぉ!おばちゃんはまだ足を踏み入れていな

かったBがLしちゃってる世界かい?

そうなの?そうなのかい!?


確かにメルカルロ様とエドが並ぶと男性

同士なのにお似合いだ。

2人共キラキラしていて……。

分かったよ。おばちゃんはその秘密を墓場

まで持っていく。決めたよ。

でも王子様と従僕……。

これからは身分違いの恋だねぇ……。

陰ながら応援するからね……。

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