私の中の何か②
今朝ルイお兄様が今日仕事お休みだって言
ってたな。
ってことはキルア様は学校サボリか?
平日だもんね。学校あるよね。
愉快な仲間たちは学生なのか違うのか知らんけど
ルイお兄様にの訓練に付き合わされてるのかな?
私は茂みの陰からガン見開始。いつも陰から
ガン見。変態みたい。でも私、変態じゃないよ?
多分……。
うわぁ〜!今日の練習着はジャージなんだけど暑
くなって上脱いどるぅ〜!!中は白いシャツ!
汗でシャツが体に張り付いてスケスケよぉぉぉ!
やっぱり若い子の筋肉っていいわ〜。無駄な
お肉ついてなくて細マッチョ〜。最高だ。
更に皆んな美少年って……。眼福だな!
誰かぁぁー!誰かぁぁー!
この熱い思いを分かち合えるご婦人は居ない
のぉぉぉー!ぐぉぉぉー!
あの素敵な筋肉や美少年達の飛び散るキラキラの
汗とかについて一緒に語れるご婦人は!?
……いや、だからガン見するのはそこじゃないん
だろう?な?私よ。
そこ重視なら私は変態の仲間入りだ。
……そこ重視してるんじゃね?
……ですね。だって最初にまずは彼らの体に目
がいくもの。変態ではないと思いたかったが
もう変態でいい。14歳の変態誕生だ。ふっ……。
気持ちも落ち着いたところでガン見の続きを
開始。
ルイお兄様は何をやっても綺麗だ。
完璧なのだな。
剣術も魔力の扱いも素晴らしい。
彼は数少ない『フォルトマスター』の称号を
授かっている。魔力には土、水、氷、風、火
があって人それぞれに使える種類がある。
フォルトマスターとはその全種類が使えて尚且
つ凄く力が強い騎士だけに与えられる称号だ。
レオンお父様もフォルトマスターだ。親子揃って
ってどんだけハイスペックなの?
恐るべしヴィンセット家……。
ちなみにヴィンセット家では敷地内で魔力を使う
ことを禁止している。曲者が侵入したり命の危険
がある時は使ってもいいらしいが。
でも訓練場は見えないシールドが設置されている
ので魔力を使い放題なのだ。
訓練だからね。思う存分やって頂戴って感じ。
あぁぁ!キルア様の魔力も綺麗だ!
火と風と土が使えるんだ。
魔力使ってると男の色気増し増しだな、おい!
たまらん!何なのあの色気!
もう私、おばちゃん通り越しておやじの域に
入ってるな……。エロおやじ化しとる。
その時、目の前の茂みがガサガサ動いた。
「ディア?またそんな所で何をしてるのかな?
エドとメアリーは?」
茂みの中から美しいルイお兄様のドアップが!
私がキルア様にクギズケになっていた隙に
ルイお兄様の『ディア察知能力』が作動した
ようだ。
キラキラした瞳で私をじっと見つめてきた。
いや、ちょっ……これはヤバイから!
こんな目の前に……。
直視したら目から流血するぞ!
そう思って顔を下に向けた瞬間。
『あれ』がきた。
そう、私が体の中で育てているであろう
『何か』に負担がかかった感覚。
多分、山を一気に走り抜けたせいだど思う。
そりゃ負担かかるよね……。山一つ走って
越えて来たんだし。しかしこの体はそう
ゆうことが普通に出来ちゃう。
やはり戦闘用だな。そう感心していたら
下を向いていた私の鼻から大量の血が流れ
出た。
その血はふざけた……じゃなくてブリブリ
ラブリーなピンクジャージを真っ赤に染める。
ふふふ。ブリブリラブリーはこれで50着目な
のだ。私が激しく運動するものだからリボン
は取れレースは裂けと順調にお陀仏になって
いったのである。
「私もメアリーとお揃いのジャージが着たい
ですわ」
と、キラキラきゅるるんして言ってみたら
即黒いジャージのクラウディアサイズを
50着注文してくれたんだよね〜。
今着てるやつがお陀仏になれば次からは黒
ジャージだぜ!ひゃほぉぉ〜!
私はよっぽどブリブリラブリーが嫌だった
ようだ。メアリーごめんよ……。
そんなことをニヤニヤしながら考えて両手で
鼻を覆ったが血が止まる様子はない。
順調にブリブリラブリーを真っ赤に染めて
いく。よし!明日からは確実に黒ジャージだ。