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紋章


「メルカルロ殿、いくらエルフの王子

でもディアを長く抱きしめ過ぎですよ?

そろそろ離して頂きたい」


アダン殿下がメアリーの腕を掴んだ。

あ、そうか。こういう時は国は違えど

王族同士なら不敬にならないのか。


「すみませんでした。嬉しさのあまり

つい……」


メアリーは私をそっと離してくれた。

途端にルイお兄様に抱っこされて

膝上に座らせられる。

レオンお父様の次はルイお兄様か……。

溺愛親子だな……。


私も慣れって怖いわー。

あんまり恥ずかしくないもんね。

ルイお兄様の魔力も貰っとこ。


「えーと?何でしたっけ?あ、鏡ですね!

私の事を女神様だと認めて頂けたのなら

私、取りに行きます!」


私は元気よく右手を上げてエルフ王に

言った。


「いや、ディアが自ら取りに行くなど

危険過ぎる。いくらエルフ国に悪魔が入って

これないとしてもだ。エルフ王よ、こちらに

持って来てもらう事は出来ぬのか?」


皇帝陛下がイケオジっぷりを撒き散らしとる

わ。ヤバい。今回の話し合いはイケオジ率

高すぎて死にそうだ……。


「勿論クラウディア様が女神様の生まれ変わり

だと認めております。実は持ち出せないのです

よ。鏡は特別な箱に入れて保存しておりその

箱を開けるにはアーサー王様、大魔導士様、

聖女様そして女神様の4人の紋章が必要に

なる設定を組んでいるのです」


「紋章……?ですか?」


私が訊くとアダン殿下とサイラスが同時に


「「ああ……!!」」


と、叫んだ。


「ポレットは……。俺たちの事を大事に思って

くれてたんだな。嬉しい……」


アダン殿下が凄く嬉しそうに微笑んでいる。


「あ、あいつは天邪鬼だったから俺たちに

そんな素振りなんて見せた事無かったのにな!

チクショーこんな風に分かるなんてあいつも

粋な事してくれるじゃないか」


サイラスも泣きそうだ。


「で?紋章って何ですか?」


2人の感動がおさまったところで再度質問だ。


「1000年前に私たち4人は旅をしながら魔獣や

魔物、悪魔を倒していた。そのうちに4人同じ

紋章がそれぞれの体に浮き出る様になった

のだ。聖女が言うには我々の力が共鳴して絶対的

な味方の印なんだと。切っても切れない絆だと

言っていた」


アダン殿下が昔を思い出す様に説明してくれた。

おお!良い話じゃん。友情ってやつ?


「それを箱解除のパスワードに設定したんだ!

良いですね!青春だ!友情だ!」


私まで嬉しくなって思わず叫んでしまった。


「姉様の言ってる事でいくつか意味の分からない

言葉がありますが可愛すぎるので……困ります!」


ノアがもうトロトロの笑顔になちゃって話し合い

どころじゃなくなってる。

私よりノアのその顔の方が可愛すぎるぞ!


「お嬢様、後程、ぱすわーど、せいしゅん、

などの異世界語の意味を教えて頂きたいの

ですが」


勉強熱心のエドが小さな声で言う。

了解!と、私も小さく頷いた。

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