異世界人です
「姉様!異世界人だったなんて凄いです!
異世界は童話では出てきますが本当に
あったなんて!感動しました!では、
あのジャージとか色々なスイーツとかは
異世界に存在する物だったりするのです
か?」
「うん、うん!そうなの!あっちでは
普通にある物なんだよー!」
ノアが楽しそうに訊いてきた。
ノア的には異世界人は大丈夫?
童話?こっちの世界の童話とかに出て
くるんだ……。
知らんかった……。
「ディアの少し人と違う感覚は異世界人
のものだったんだね?素敵だよ!
ああ、もっと異世界の事を教えて欲しい
な。そしてディアが向こうでどの様な生活
をしていたかも知りたいよ?ね?」
ルイお兄様もニコニコして言ってくれた。
え?私、人と感覚ズレとる?
それは異世界人って言うより私自身の
ズレだな。
しかしそんな優しい笑顔で……。
私のおばちゃんライフ聞いても面白く
ないよ?
「うわー。ディアはポレットと異世界人
が混ざり合ってるって事?
それはヤバイ!だからめちゃくちゃ
可愛いんだな。やっぱり嫁にしてーな!」
サイラスがそんな冗談を言うもんだから
レオンお父様やルイお兄様、ノア、あれ?
何故かアダン殿下までも怖いオーラ出して
ますが?
ん?お茶を淹れなおしているエドも
俯きながらぶつぶつ何か言ってる。
怖ぇーよ。
「まぁ、こんな感じだから異世界人でも
問題は無いのではないか?皆すんなりと
受け入れているようだぞ?俺は魂の
色なんか見えないけどお前が変だと
気が付いていたけどな」
皇帝陛下が得意のニヤニヤ顔で私を
見てる。ヤバイ!イケオジのニヒルな
笑い顔。私、鼻血が出る5秒前。
「あ、そうだったかも。皇帝陛下と
お茶した時、そんな雰囲気だったかも
しれない!」
「しかしその話し方は異世界人のな
のか?可愛くて仕方ないのだが……」
レオンお父様が私の顔を覗き込んで
きた。
あちゃー!カミングアウトした事で
一気に気が緩んでおばちゃん語大爆発
させてた。
周りを見たら驚いてるって言うより
悶えてる?
「姉様……その話し方は異世界語なの
ですね?可愛すぎて……色々我慢が出来ない
のですが……」
ノアが真っ赤なお顔と潤んだ瞳で私を見て
きた。
「ご、ごめんなさい。そうでしたわ。でも
この様な話し方はこちらの人も使っている
と思うのですけれど……」
とりあえずお嬢様言葉にスイッチ!
「確かに使ってはいるのだがディアが使うと
何か……そう、イントネーションが違うのか
媚薬の様な効果が生まれるのだ。是非使って
くれ。ディアの可愛さが倍増する。最高だ」
レオンお父様は私を抱き締めながらホクホクと
している。レオンお父様はユーリ様みたいに
少しは大丈夫なんかな?
それにエルフ族のお2人も大丈夫そうだ。
しかしその他の皆んなはちょっとダメらしい。
ローズお母様まで顔を真っ赤にして潤んだ瞳で
私を見ている。
「可愛いわ。可愛いわ。可愛いわ。
普通のディアでも死にそうなぐらい可愛い
のにこの話し方は……。それに女神様の
生まれ変わりだってだけでも特別なのに
更に異世界人だったなんて……。なんて
尊いの!!!」
ローズお母様が大きな独り言を言ってる。
この話し方で進めちゃっていいのか?
ちょっと怖い気もする。
だって媚薬って。
私はチラリとユーリ様を見て助けを
求めた。
「いいんじゃないか?ほら、俺の家族も
いつも嬉しそうに異世界語聞いてるだろう?
そっちの方が皆和む」
「え?じゃあ、遠慮なく……。この事を
知ってる人の前でだけって事で宜しく
お願いします」
私は戸惑いながらも了承した。
「今、ブロスト殿は『家族がいつも嬉しそうに
聞いている』と言いましたか?」
レオンお父様がワナワナ震えてる。
「ああ、言ったが?」
「ご家族達もディアが異世界人だと知って
いるのですか?」
「勿論だ。俺は家族には隠し事を絶対に
しない主義なんでね。あ、ユーリって呼んで
くれよ?」
さりげなくユーリ呼び入れてきたな。
笑える。
「嫌です」
即答のレオンお父様も笑えるな。