エルフの王子様④
「メアリー?私が分かるかしら?」
「お、お嬢様……?」
メアリーだと思われる男性は目を
ぱちぱちさせて私を見る。私をお嬢様
と呼んだ。
やはりこの男性はメアリーなんだな。
声も低いし、首も太いし。
見た目が全然違っていて違和感しか無い
けど。
「メアリー?細々した説明は貴方のお父様から
聞いて下さいませね。私はエドの所に行きます」
ボーとしているメアリーとエルフ王、医師を
残して私は移動する。
いや、正確にはレオンお父様が移動する。
私を抱っこして。
エドが眠っている部屋に到着だ。
レオンお父様ありがとう。
移動中、私はレオンお父様の良い香りと
気持ちの良い魔力で癒されまくってました。
レオンお父様に降ろしてもらいエドの
顔を覗き込む。
日に日に大人顔になっていくエドの寝顔を
見ながら私は感極まる。
大きくなったねぇ。出会った頃はまだ子供
だったのに。
めちゃくちゃ親戚のおばちゃん目線だ。
さて……。
私はメアリーにやった事と同く両手で
エドの頬を包み込んだ。
私の両手から光が出てエドを包み込む。
エドがゆっくりと目を覚ます。
「良かった。エド目が覚めた?」
「お嬢様……?」
エドの声も聞けた。
これでメアリーもエドも大丈夫だね。
安心したからなのか私はその場で崩れ落ち
た。
皆んなごめん!今回のは直ぐに意識戻ると
思うからゾ◯ビ通り越してミイラにならい
でくれ!一瞬そんな事を考えていたら
レオンお父様かルイお兄様が抱き抱えて
くれた感じがした。安心感が波のように
襲って来て意識が無くなる。
次の日にはきちんと目を覚ましたのだが
ローズお母様が2週間は何も考えずに
しっかり食べ、しっかり寝て、好きな事
しかせずに過ごしなさい!と言われた。
何故2週間なのかは不明だ。
たまにローズお母様の計算式は不明な
数値を叩き出す。
しかし私は素直に従ったよ。
だってローズお母様が今までの事件の中で
1番心配していたから。
学園長にされた事もそうなんだけどきっと
父様、母様絡みの心配なんだろうなって
思う。
この2週間はほぼローズお母様と過ごした。
ここが病院だったら面会謝絶って札が扉に
かかってそうだ。
ローズお母様が男性はご遠慮頂きたいと
言ったらしい。でもね?私は学園長に全裸を
見られ全身拭かれたけどそれ以上はされて
ないから男性恐怖症とかにはなってないよ?
意識も無かったしね。
そう伝えてもローズお母様はガンとして
譲らなかった。
そのおかげもあって久しぶりにゆっくり
できた様な気がする。
ありがとう、ローズお母様。
そして2週間が経ち先ほどのユーリ様
からの謝罪を受ける事になったのだった。
因みにメアリーとエドも2週間お休みしな
さいと言われて大人しくしていたらしい。