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謝罪


「我々が森に入り爆発音を聞いて直ぐに

駆けつけると粉々になって燃えている屋敷と

クラリスを庇うように覆い被さっていたディア

とそこら辺に転がっていたマーカスをを見つけ

たのだ」


ユーリ様が渋い顔で私に説明する。

綺麗な顔なんで眉間にシワが寄って

いたとしても綺麗なまんまだ。

羨ましい。


そんな私はというと今はソファーの上に

座っている。いや、ソファーに座っている

レオンお父様の膝の上に座っているが正解だ。

そして両隣にはルイお兄様とノアがガッツリ

と座り


「はい、ディア。まだ硬い物は食べれない

よね?果物なら良いかな?あーん」


「姉様!果実水はどうですか?水分取らない

と!」


と、甲斐甲斐しくお世話をしてくれている。

が、私が目覚めてからもう2週間経つのだが。

もう健康そのものなんだが。


「ディア、本当にすまない!謝って済む問題では

ないと分かっている。まさかマーカスがあんな

事をするなんて。油断していた」


ユーリ様が平謝りする。


「いいえ。ユーリ様のせいではないですし

学園長は魔王に匹敵するぐらいの魔力持ち

だったのでしょう?そんな人が分からない

様に陰でコソコソ進めていたらそれを

感知するには難しいですわ。もう謝らないで

下さい」


いや、ホント私もあの笑顔に騙された。


「ディアは天使だな。あんな、あんな……

思い出しても気分が悪くなるな。それな

のに許すとは」


「レオンお父様?あの出来事は学園長が

やった事でユーリ様は関係ないですわ。

なので最初からユーリ様を許す、許さない

はないのです」


ふふふ。と私は微笑む。

するとレオンお父様が私の腰に回してい

た腕にぎゅーと力が入る。

ぐぇ……。力強すぎ。

そして両隣からそれぞれに私の手をぎゅっと

握ってくる兄弟。


「本当に天使だ……」


レオンお父様が呟く。


「あんな辛い目に遭ったのに……。

私のディア……なんて心が広い」


ルイお兄様も呟く。


「姉様……」


ノアがウルウルした目で私を見る。


私が目覚めてからずっとこんな感じだ。

何か言う度に何かする度に感動しまくる

のだ、この親子は。


「あら?また暑苦しく感動していますの?」


そんな変な雰囲気を割って部屋に入って来たのは

ローズお母様だ。


「もう、そんな後ろも横もガチガチに

固められたらディアが動けないわ。

気持ちも分かるけど少しソファーに

降ろしてあげたら?」


うん!ローズお母様、救世主!


「「「駄目!」」」


3人がいつもの様にハモった。

これは暫く解放されないな。


「ローズはディアが目覚めてから昨日

までずっと一緒にいたではないか。

だから今日からは我々のものだ」


レオンお父様の言葉に兄弟も頷く。


そう、私の意識が戻ってからずっと

ローズお母様は側にいてくれて心の

ケアをしてくれていたのだ。

多分、下着を付けていなかった事と

『初夜』疑惑そして全裸見られた件

について私が心に傷を負ったのではと

思ったらしい。

全然大丈夫なんだけど。いや、全裸の

件だけちょっと……。だけど。


なので昨日までの2週間は事件の説明も

無かった。まだ話さない方がよい、

少し時間を置いた方がよいと医者が言った

らしくてやっと今日、色々聞ける事に

なったのだ。


私は直ぐにでも聞きたかったけど。

でも皆、私の心を心配したようだ。

クラリス様も言ってたでしょう?

未遂なんだってばよ!だから大丈夫なんだ

ってばよ!


そうそう、その事については医者が大丈夫

です。と言ってくれた様だが……。

医者よ、その判断はどうやってしたのかな?

お願いだから魔力で診たと言って。

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