戦い③
アクアが張ったシールドを小さな範囲に
縮めてもらってその中にクラリス様を入
れた。これでクラリス様は安全だ。
そして私は学園長と向き合った。
「よくも父様と母様に酷いことをして
くれたねぇ?学園長さぁ、そんな凄い
魔力があるならもっと良い事に使えば
よかったのに。そしたら母様も喜んで
くれたよ?きっと」
剣を持ち構える私を見て学園長はとても
残念そうな顔をした。
「ソフィア姉上とロノフを殺す事は
とても良い事だったと思いますが?
あんな虫ケラこの世界に居たら害虫です。
それを除去したのですよ?良い事では
ないですか」
うん。やはり言葉は通じないとみた。
「良くない」
私は学園長を睨んだ。
「そうですか。考え方の違いですね?ちょっと
私、怒っています。お仕置きしますよ?
私の嫁になるのですからもう少し考え方を
改めてもらわないといけませんので」
学園長はにっこり笑いながら右手に魔力で
剣を出した。
まだ『私の嫁』は諦めていないらしい。
私の剣にアクアの魔力が入った。
青色に光出す。
私は姿勢を低くして走り出した。
剣を学園長の足に向かって横向きに
振る。学園長はパッと場所移動した。
続いて私も学園長を追う。
学園長が飛び上がり上から光の玉を放った。
それを素早く全て剣で散らす。
その玉は砕けてガラスの破片になり私の方へ
一気に飛んできた。
両手で剣を持ち宙に半円を描き飛んできた
破片をガシャガシャと下に叩き落とす。
次の瞬間、学園長が斬りかかってきた。
学園長の剣を私の剣で受け止めながら足払い
を素早くする。少し当たり学園長がガクッと
なったところにお腹を足蹴りして吹っ飛ばし
た。
学園長はクルクルしながら着地して
笑った。
「へぇ〜。異世界人の戦い方は騎士達とは
違うのですねぇ。少し雑なところが面白い」
雑で悪かったな!
戦い方っよりは喧嘩の仕方って感じだもんね。
本当なら素手で殴り合いの方が性に合ってる
んだけどそんな事したら瞬殺されるよね。
そんな事を思っていたら学園長が両手で
オーロラみたいな大きい光の壁を作り出して
いた。あーあんなのは剣では太刀打ち出来な
いよ!
「アクア!私の手に魔力ちょうだい!」
私は剣を捨ててアクアに頼んだ。
「はいよ」
そう返事をしたアクアは私の手に直接魔力を
くれた。ふわぁ!何て気持ちの良い魔力な
んだ!相性が良いのか?
私が驚いてアクアを見るとお腹を抱えて笑っ
てる。
むむむ。なんだよ?何処がツボったわけ?
ハッと気がつくと学園長が放ったオーロラが
直ぐそこまできていた。
よそ見厳禁だな。
そのオーロラにぶつけるように私は両手で
大きな球体を作りぶん投げる。
オーロラと球体がぶつかり合って大爆発が
起り屋敷が跡形もなく吹っ飛んだ。