表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
226/318

戦い


「ん?何だ?この薄汚れたミイラは。ソフィア

姉上、汚い物をお見せしてしまってすいません」


そう言い出して学園長は柩を蹴り始めた。

え?また変になった!?


柩を部屋の隅まで蹴り寄せ終わると私の方に

振り向きにっこりと笑った。

蹴りながら柩を移動させるなんて。

母様を蹴るなんて!私はフガフガと怒る。


「ソフィア姉上?何を怒っているのですか?

ああ、あの小娘ですね?ソフィア姉上を傷付けた

アイツを早く処刑しろと……。分かりました」


誰もそんな事言っとらん!


「焼き殺しますか?それとも窒息死させますか?

数十箇所刺して殺しますか?」


クラリス様が青くなる。


「どれも嫌だ」


私の答えに顔を傾げて沈黙する学園長。


「そうですか。焼き殺すのが良いと」


おい!人の話を無視するんなら最初から訊く

なよ!そう言おうと思っていたら学園長の手に

炎が現れた。ヤバい!

私は力が入らない体にムチ打って走り出す。


転がってるクラリス様の上に覆い被さると

同時に学園長の炎が飛んできた。

炎は私の背中に燃え移った。

そして私の皮膚が焦げた臭いが部屋中に

広がってきた。自分が燃えてるのに

『焦げ臭いなぁ』なんて呑気に思ってる

私は今、学園長の魔力で脱力してグダグダ

だからなのか熱さも痛さも感じない。


「な、何故ですの!?何故私なんかを……」


クラリス様が泣きそうな顔で覆い被さっている

私を見る。


「私ね、将来結婚とか考えてなくて。修道院に

入ろうかと思ってるのね。だけどクラリス様

はこれから1番可愛くキラキラした時期に入って

素敵な旦那様を捕まえるんでしょう?それなのに

傷なんて作ってられないでしょう!

この世界って女の子にちょっと傷があるだけで

もダメって聞いたよ?その点私は傷だらけに

なってもいいんだもーん」


ニコッと笑う私をクラリス様の大きい目が更に

大きくなって動きが止まる。


「まさか私の力をかけているのにこんなに

早く動けるなんて……。しかもその女を庇う

とはソフィア姉上は頭がおかしくなったの

ですか!?」


元レディースなめんなよ?根性だよ!根性!

それに頭がおかしいのはお前の方だろう!


学園長がこちらに手をかざし私を自分の所に

戻そうとした。私の体が少し宙に浮く。

その時突然出現したシールドに学園長の魔力が

跳ね返された。

私はどさりとまたクラリス様を庇うよに

覆い被さってしまった。


「クラリス様、重くてごめん!体の自由が

きかなくて……」


とりあえず謝っとこ。


するとクラリス様が私にギュッと抱きつい

てきた。


「……大バカですわ!こんな私を助けようと

するなんて。私の将来の事まで心配して!

うっうっ」


クラリス様を泣かしてしまったよ。


「感動の場面だけどさ、何やってんだよ。

その背中見たら女神ちゃん溺愛集団が泣くぞ?」


頭の上から聞き慣れた声がした。

あ、そーいえばさっき誰かがシールド張って

くれてたね?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ