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真実⑤


「それでもソフィア姉上は子供がいるから

自分は死ねない。ロノフとの大切な子供が

とね。だから早く解放しろと言ってきまし

たよ。その言葉に私はムッとしましたねぇ」


母様も戦っていたんだね。

もう涙腺崩壊だ。


「それで私はソフィア姉上に血がベットリ

付いた髪の毛の束を投げつけてやりました。

『悪いけど子供も殺してきたよ。これその子

の髪の毛』って言ったら心も体も弱っていた

ソフィア姉上は直ぐに信じてくれたねぇ。

勿論信じてもらえるように髪の毛にその子の

匂いっぽいモノもつけてみましたけどあれ程

簡単に信じてしまうとは驚きましたね」


くくくと笑いながら涙腺崩壊の私を見る。


「そしてソフィア姉上は生きる希望が無くなった

と言って自分で心臓を止めてしまったのです。

それには私も驚いて何回も蘇生術を施しましたが

駄目でした。流石に死んだ人間を蘇らす事は

出来ませんでしたよ。ソフィア姉上はブロスト

一族にしては珍しく力が弱い人でしたけれど

その力を全て使って自分の心臓を止めたのです。

私がソフィア姉上ーの力を封印していたにも

かかわらずです」


「い、生きる……」


私は号泣しながら学園長に向かって

叫ぼうと……。


「生きる希望まで奪って!しかも嘘をついて!

なんて残酷な事を!この人でなしぃぃぃ!」


あ、また被せてきましたね?

私が言いたかった事を代弁してくれちゃい

ましたね?

クラリス様あっぱれでございますよ。

しかし相変わらずガン無視されてますけ

どね……。


「最初はベッドに寝ていたのですがどんどん

臭いがしてきましてね。これでは綺麗なソフィア

姉上が腐ってしまうと気が付きました」


気付くの遅っ!


「これではいけないと直ぐに蝋人形にしました。

魔術でしたのでこれなら永久的に一緒にいられ

ます。見てみますか?」


そう言うなりパチンと指を鳴らすと私の

前に柩が現れた。


「!?」


その中を見て絶句。

骨と皮だけになった女性が横たわっている。

蝋人形というよりも殆どミイラ状態だ。

生前の面影なんてどこにも無い。


「う、う、うわぁぁぁぁぁーーん!」


私は声を出して泣いた。

これは裕子ではなくポレットでもなく

クラウディアが泣いているのだ。

3歳まで溢れんばかりの愛情を注いで

くれた母様がこんな男にこんな姿にされて

私の中に居るクラウディアが怒りで泣いて

いる。


「ぎゃわゎゎゎーーーーん!!!!」


私の泣き声よりも大きい泣き声が響き渡る。

クラリス様だ。

私よりも号泣しとる。

もうね、その姿を見たら涙も引っ込んだわ。

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