真実③
「ソフィア姉上とずっと一緒にいられる方法
を思いついたのです。あの邪魔な男が消え
たらソフィア姉上は私と結婚してくれる。
そうだ。こんな簡単な事だったのだと気が
付いたのですよ」
あ〜。なんか、はい。分かちゃたよね。
もうその説明でさ。
クラリス様も分かったようで青い顔をして
いる。
「私は計画を立てたよ。ブロスト一族には逆
らわず従って静かに目立たなく良い子にして
いながら見つからないようこの屋敷を建て
ました。この屋敷はね『魔獣の森』って言う
場所に建っていてそれこそ魔王か悪魔かそれと
同じぐらいの力を持っていないと入って来れ
ない。深い深い森の中にびっしり魔獣が居る。
魔力が程々強くてもこの森に入って来たら
頭がおかしくなるようですよ?きっとこの森は
は悪い気が集まっているのでしょうね」
え?私もクラリス様も大丈夫そうですけど?
「ええ、この屋敷内は私が魔力で浄化して
いるので誰もおかしくはなりません」
いや、学園長、あんたはおかしいけどな!
って、また私、分かりやすかった!?
「誰も入って来れない森。だからここを
選びました。私の魔力なら半日でこのぐらい
の規模の屋敷は建てれますよ?ふふふ。
素敵に仕上がっているでしょう?ここなら
何をしても知られる事はありません」
はぁ。何をしても……ね。
「そうこうしてるうちにソフィア姉上は子供を
産んでしまった。汚わらしいあの男の子供だ!
許せなかった!もう汚れてしまったソフィア姉上
もあの男との子供も一緒に始末しようと決めた
のです」
やっぱりか。
「だからね、あの日私が嘘の手紙を書いてあの
男とソフィア姉上を誘い出したんだ。でも
子供は置いてきてしまったんだよね?ねぇ
ソフィア姉上?」
そう言って微笑みながら私を見る。
「まぁ、子供なんて後から殺せばいいと思った
けどね」
その子供と今、夫婦になろうとしてますけど?
「その子供が私なんですが……」
私は力無く呟いた。
いや、学園長の魔力のせいで力を入れたく
ても入らないのだ。
学園長の魔力、ホント私と相性が悪いのか
段々と吐き気がしてきた。
そんな私の呟きを聞き、クラリス様は床に
転がったままこちらを見て
『それは本当ですの!?』
と、目で訴えてきた。
『本当』
私も目で返す。
そんな私達に全然気が付かない学園長は
ニコニコしながら私の前に跪き手を取って
キスをしてきた。
止めろ。
振りほどきたいけど体に力が入らん。
「あの時からずっと眠っているソフィア姉上
が起きてくれて嬉しいよ。最初は殺そうと
思ってたけど殺さなくて良かった!でも
眠ってしまったけど……。あんな男でも一時は
夫婦だったからね。死んだのがショックだった
のでしょう?でも、もう大丈夫ですよ。私が
いますから」
眠っている?学園長の魔力で眠らされている
とか?いや、それは無いな。だっていくら
学園長の力が強いと言ってもユーリ様だって
かなりの力だ。溺愛していた妹の気配を
読み取れないわけがない。ほんの少しだって
とりこぼさないはずだ。
じゃあ、どーゆー事?