クラリス様の行方④
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ございます!嬉しいです!いつも泣きながら
喜んでます!
今回、痛い表現があります。苦手な方は
ご注意下さい。
私は必死に抵抗しながらネックレスに触った。
「ああ、レオンのネックレスだね?ふふふ。
さっきも言ったでしょう?この部屋からは何も
発信出来ないよ?そのピアスもルイからのだっ
たね?もうこれからは私以外の男から
アクセサリーを貰ってはいけないよ?」
学園長はニコニコしながら私のピアスを指で
掴むと一気に引き千切った。
耳朶が裂けて血がドバッと床に落ちる。
「ふぎゃぁぁ!!!」
私はあまりの痛さにご令嬢らしからぬ叫び声
を出してしまった。
「「お嬢様!!!!!」」
エドとメアリーが叫ぶ。
「あはは!良いね。その叫び声。異世界人っぽくて。
その方が何倍も魅力的だよ。今からは異世界語で
話なさい」
「い、嫌ですわ……」
お前のリクエストにお応えするなんてお断りだ!
「ほう……そうですか」
学園長はもう片方の私のピアスも勢いよく
引き千切る。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!ふぇ……」
泣きそうだ。だけど泣いてたまるか。
「凄いね。貴方が異世界から選ばれた意味が
分かったよ。これから魔王との戦いには生半可
な性格では最後まで行き着けないからね。
貴方のその根性なら魔王に勝つ事も夢ではなさ
そうだ。でも残念。これからは私だけの物になる
のだから魔王討伐になんか行かせませんが」
私は痛さで意識が朦朧としてきた。
それと同時に鼻からツツーーーと
血が出てきた。
体に負担がかかったのだ。
精神的にも負担がかかったからなのか先程
レオンお父様から貰った魔力の減りが早い
感じがする。
ヤバイ。育ててるモノが魔力を欲しがってる。
「あ〜。体の中のモノが魔力を
要求してますねぇ。私のをあげますよ」
え!?そこまで知ってるの!?
学園長が私をグイッと引き寄せて抱き締めてきた。
魔力が体内に入ってくる。
「うぅぅ……ぐっ……」
私はうめき声を上げた。
だってこの魔力、気持ちが悪い。
私は学園長を突き飛ばし胸を押さえて大量に
吐血した。
「あれ?私の魔力とは相性が悪いようですね。
残念です。相性が良ければ毎晩貴方を抱き締め
てベッドの中で魔力供給しようと思っていたの
ですが」
エドとメアリーが私の方へ走って来るのが
見えた。しかし学園長が風魔力で吹っ飛ばし
2人は壁に激突した。学園長の魔力は半端ない
ぐらい強い。メアリーは分からないけどエド
はかなり強くなっている筈なのに。
私も戦いたいけど魔力が使えない。
それって本当に情けない。
涙が出てきた。
吐血も止まらない。
ベージュ色の絨毯が私の血で染まっていく。
「……姉様に……触るな……」
全身痺れて動けないだろうにノアは一生懸命に
床を這って学園長の足首を掴んだ。
「凄いね。まだ動けるのか。ノア、君は
ロノフと見た目もそっくりで持ってる力も
光魔法で同じなんですよ。私のソフィア姉上
を奪って行った男なのでね、反吐が出ますよ」
そう言ってノアを蹴り出した。
そんなに蹴られたら内臓が破裂しちゃうよ!
「光魔法が使えるのですから自分で治したら
どうですか?ああ、今は無理ですよね。失礼
しました」
私は学園長の腕を掴んで吐血しながら
頼んだ。
「お願い……止めて下さい。学園長の目的は
私なのでしょう?一緒に行きますから。
もう皆んなには手を出さないで……」
「嫌だな。学園長だなんて。これから私達は
夫婦になるのだからマーカスと呼んで欲しいな」
少し照れながら言ってる。
そこは照れるんだ……。
残念ながら夫婦にはなりませんけど。
「さあ、私の屋敷に行きましょう。クラリス
もそこで待っていますよ?貴方の目の前で
処刑してあげようと思いましてね。攫って
おきました」
処刑……?そんな物騒な……。
「あ、この部屋から出ると追跡されてしまう
のでこのネックレスも置いて行きましょうね」
学園長は私のネックレスをガシっと掴んで
ブチブチーーーと引き千切った。
ホント引き千切るの好きだね。
次の瞬間私はカクリと意識を失った。