アクアの事情③
「そうなんだ。それじゃ仕方ないよね。
それも1000年前にかけた術なんでしょうし。
それにあの溺愛ぶりはおかしいと思ってた
んだよね!そういうカラクリがあった
んだ〜。教えてくれてありがとう!
女神様の魔力でそうなってるんだ!
私も頑張ってイチャイチャして沢山魔力
貰うね!」
アクアが変な顔しとる。
何で?
「女神ちゃんは本当に鈍いのな。確かに
魔力吸収は1000年前の女神ちゃんの魔力で
出来るようになってるがそもそも相手が本気で
今の女神ちゃんを愛していないと出来ない術
だぞ?」
へ?
「あ、家族愛ってことね?了解!」
「レオンのおっさんとローズのおばちゃんは
そうだけどよ。……もういいわ。そういう事に
しとけ」
何?その呆れた感じ。
「で、いっぱい魔力貰ったら余分な分は少し
なら女神ちゃんも使える様になるぞ?頑張っ
てイチャイチャしまくれ」
「えー?そうなの?そうなったなら私でも
戦える?」
「少しだけどな」
「やった!」
「本来ならこの術は女神ちゃんの本当の両親
から貰うはずだったみたいだけどな。
でもこっちの奴らの愛も怖いぐらいある
から良かったな」
「そうだったんだ。私の本当の両親……も魔力
強かったんだ〜」
「そうらしいな。1000年前の術で選ばれた
夫婦だったからな」
凄いな。アクアって何でも視えちゃうのか?
いくら前魔王の息子でも凄くない?
「ねぇ、アクアは何でこの次元に来たの?
どうせ帰っちゃうんでしょ?」
「ああ〜それね。まぁ、惚れた女の為だ」
「うわぁ。カッコよ!私も言われてみたいわ。
そんなん」
アクアがまた呆れ顔で私を見る。
何で?
「女神ちゃん、陰で言われまくりだぞ?」
「いいんだよ。気を使わなくてもさ。自分に
魅力がない事ぐらい分かってるって。アクア
ってさ、いい奴だよね」
更に呆れ顔だ。
ホント何なのさ。
「で、向こうで色々あって好きな女の側に
居られなくなっちまってほとぼりが冷める
までこっちに避難してきたわけ。すると
ビックリ、現魔王もこっちに居るじゃねーか
ってな」
それな!現魔王が誰なのか、私の側に居るのか
1番知りたいんですが。
きっと、いや絶対に教えてくれんだろう。
「女神ちゃんの専属護衛騎士になって様子
見てた」
「でもさ、別に私の専属にならなくてもアクア
の魔力なら色々誤魔化せて色々出来たんじゃ
ないの?」
「うん。まーね。でも俺が女神ちゃんに興味が
出ちゃってさ。話してみたくなったってわけ」
「それは光栄です」
「実は女神ちゃんの前世の次元だけはどう
やっても行けないんだ。悪魔は勿論魔王も
な。だから前世の記憶がある女神ちゃんが
気になったんだよな〜」
「そうなんだ!なるほど!きっとだけど私の
前世の次元は魔力や魔法とかがないから入って
行けないのかもね!」
「えーーーー!?マジかよ!魔力とかなくて
どうやって暮らしてんだよ?変な国だな」
ちょっと失礼だな!