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肉体改造計画②


そんなふざけた……ではなくてラブリーな

ジャージを着て体力づくりを開始。

最初は指導してくれる人がいるといいなぁ〜

なんて思ったのでレオンお父様に先生みたいな

騎士様を紹介してもらおうとお願いしたのだが。


「ディアに触ったり、話しかけたり、笑いかけ

たり、視界に入ったりしない奴を選ぶのは難し

い」


と言ってレオンお父様は綺麗なお顔で悩ましい

ポーズをとる。


おーい。それが全部できる人がいるなら凄いわ!

話しかけてもらえない、私の視界に入らない

なら指導もしてもらえんだろうが!


「エドもメアリーも一緒ですので大丈夫ですわ

何かありましたら2人がどうにかしてくれると

思いますので……」


もう、こうなったら2人に丸投げだ。

よろしくな!!


何回も何回もウルウルした目でお願いして

やっと連れてきてもらった。


……のに。


「あ〜!お嬢様!それはダメです!痣が

できてしまったらどうするのですか!」


「あ〜!お嬢様!そんなに走っては転んで

しまいます!」


「あ〜!お嬢様!今日は日差しが強いので

運動はやめておきましょう」


……おい。コラァァァァ!!

お前は何の為にここに居るのだ!?


申し訳ないが違う騎士様に交代してもらった。

さぁ!心機一転!頑張るぞ!


「はい。お嬢様」


と、手渡されたのは前世でいう『縄跳び』の

縄だ。

うむ。良いかもしれん。

とりあえず2〜3回飛んでみた。


「いいですね!」


おっ?そう?もう2〜3回飛んでみた。


「はい。今日はここまで」


はい?幼稚園児でもこの3倍は飛べるぞ!?

私はその言葉を無視して二重跳び、バッテン

跳びを高速でやった。


「うわぁーーー!お嬢様!おやめ下さい!」


……もういいです。

騎士様要らないです。

私は自己流肉体改造を開始した。


そんなこんなで自己流運動を3人で始めて

しばらく経った頃ヴィンセット家で週に1回

ある第一王子騎士団の訓練日に遭遇した。


ルイお兄様が団長なのでヴィンセット家で

週1回は開催しているようだ。

その他は王城でほぼ毎日訓練をしているらしい。


実はこの週1回の訓練に参加したいとレオン

お父様にお願いしたのだが秒で却下された。


ですよね……。


「見るだけならいいですわよね?」


私はエドとメアリーにお願いする。


「見るだけなら……。ですがそれさえも旦那様

には知られないようになさって下さい。そうで

ないとお嬢様の瞳に映ったとか何とか言って

その騎士様が行方不明になる危険が……」


へ?エドの言ってる意味がよく分からん。

とにかくバレなきゃいいってことだね?

ならば訓練場の隅にある柱の陰からガン見させて

いただく。


数十人の騎士様達が汗を流し剣を振り下ろして

いる。年齢は10代、20代といったところか。

運動着を着ていても分かるムキムキの筋肉。

最高だ。素敵だ。って、そこを見るんじゃない

んだよ。

剣術を見るんだってばよ!私ってばよ!


私がヤンチャしてた時、自己流で振り回してた

木刀。剣術の基本とかをきちんと知ってたら

この世界でも何かあった時に使えるのではと

思っている。なんせ、前世とは全然違う世界

なのだ。いつ、何処で危険な目に遭うか分から

ないから。

自分の身は自分で守らにゃぁ〜いかん!って

ことで本当は剣術習いたいんだけど……。


柱の陰で気配を消し見ていた私をルイお兄様が

ヴィンセット家特有の『ディア察知能力』で気

がついたようで……。これはレオンお父様を

筆頭にローズお母様、ノアも持っている特殊能力

だと私は思っている。だって隠れてても直ぐに見

つかるし、遠くに居ても直ぐに捕まえられてしま

うから。

溺愛って凄いのな……。


キラッキラした笑顔でこちらに走って来る。

今日も美人なルイお兄様……。

朝も会ったけどいつ見てもうっとりするほど

のイケメンだ。

あと50メートルぐらいか……って

ダメじゃん。

見つかったらダメだったのでは!?


レオンお父様にルイお兄様からこの事が伝わった

ら……ん?何だって?騎士様が?何になるって?

エドが何て言ってたっけ?

とりあえずヤバくないか?


「ディア!そんな所にいてどうしたの?」


手を掴まれ柱陰から引きずり出された。

うひょ〜!流石、騎士団長だ!力強い!


「ディアが運動始めたとは聞いていたけど

本当にやっているのだね」


私の手をギュウ〜と握りながらニコニコだ。


「え、あ……こんなバカっぽい……ではなくて

あまりにも可愛らしいデザインなので遊んでる

様にしか見えませんわよね……」


私はエドとメアリーのジャージと見比べて

しゅんとした。


「え?何を言っているの?ディアは何でも真剣に

取り組むことを私は知っているよ?」


私の頭をなでなでしてくれている。


「それにしてもディアにピッタリな運動着だ!

凄く可愛いよ。メアリーがデザインしたんだ

ってね?いい仕事してくれた」


と、メアリーを労うルイお兄様。ご満悦だ。

……ふっ。絶対にそう言うと思って心構えしとっ

たわ!はい、はい、そうですよね。溺愛中です

もん。何でも似合うように見えるよね……。


「エドとメアリーが着ているものも初めて見る

デザインだね?」


ルイお兄様がじーっと2人を見る。

私のも同じ種類だよーー!見て、見てーー!


「ジャージといって運動するのに最適な服ですわ」

「ディアが発案したのかな?」

「はい……」


前世の発案者さま……。ホントすまん!


「ふむ」


と言って何やら考え込んでいる様子のルイお兄様。

その肩越しからひょこっと顔が出てきた。


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