気を失っていた時の事②
ピアスもネックレスも付けていた。
そうだ。いつもならあんな怪我を
する前に私の負の感情を2人がピアスと
ネックレスを経由して察知するはずな
のに。
「ノアはどうして保健室に?」
「多分エドが教室の扉を壊した瞬間
に姉様の悲しいオーラをキャッチ
しました。同時にエドから姉様の
様子がテレパシーで頭の中に送られて
きたので保健室に来るだろうと思い
先に行っていました」
そっか。連携プレイ最高だ。
しかもテレパシーって!この世界にあるん
だね!カッコええなぁーー!
ちょっと興奮した。
「どうやらあの教室にかけられていた
シールドは受け持ちの先生のとあともう
一つ。正体不明のシールドが張られて
いたらしい。それのせいでルイの
ピアスも私のネックレスも反応が
遅れたようだ。ブロスト殿が直ぐに
学園長と調査してくれたのだ」
「ブロスト殿、ではなくてユーリと
呼べっていつも言ってるだろう?」
ユーリ様がため息をついてレオンお父様に
抗議する。いつものパターンに私はくすっと
笑った。すると皆んなの顔がぱぁぁぁと
笑顔になった。え?私が笑っただけで?
かなり心配かけちゃってたんだね。
ごめんね。
「で、だ。有能なエドくんが教室の中が
おかしいと感じてシールドを突破しようと
したらしいのだけど最初は全然ダメだった
らしい。……な?」
ユーリ様がエドを見る。
「はい。いつものシールドなら私の魔力で
直ぐに壊して中に入れるはずがあの時の
シールドはとても手の込んだ呪文が付いて
いて何度破ろうとしても弾き返されたのです」
「先生の他にシールドを張った人物がいる
のですね。その人物はかなり魔力が強い
ですわね。そして私とクラリス様が揉める
事を知っていて更に私が怪我をするかも、
いえ、怪我をしてもいいと思っていた。
それで直ぐには誰も助けに来れない様二重に
シールドを張った……という事でしょうか?」
自分で言ってへこむわ〜。
だってその人物に相当恨まれてるんじゃ
ない?
「その通りだ。まずクラリスに尋問したの
だが……」
レオンお父様が渋い顔をしましたわ。
「クラリスに誰から私やレオンの事を
聞いたのかを問いただしたのだけど
何か言おうとすると声が出なくなる
術をかけられていたのだ」
ユーリ様がレオンお父様の後を引き継ぎ
話してくれた。
「その後も何を聞いても殆ど話せない状態
だったがディアに対しての嫌悪、憎しみ
などはずっと恨み言を言っているようだ」
「そんなにクラリス様に恨まれる事は
していないと思うのですけれど……」
おばちゃんは悲しいぞ。
それにしてもユーリ様は直接会って尋問
したんだ。驚きだ。
「当たり前だ。私の可愛いディアがあんな
血だらけで……。冷静でいられなかったぞ?」
あ?また私、心の声出しちゃってました?
「え?冷静でいられなかったってまさか
クラリス様に……」
「そこまでは私もバカではない。そこは
抑えた」
良かった……。
「私も悪かったのです。クラリス様に対し
て思っていた事をぶつけてしまったので。
それで怒ってしまったのですわ」
「その場に居た生徒達に聞いたのだが
ディアがもの凄く可愛く何かを叫んで
いたと。それの事か?」
レオンお父様が首を傾げて言った。
ぎゃほうーい!いい男の首傾げ、頂き
ましたぁぁぁ!鼻血出そう……。