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ユーリ様のご親戚④


その日もアクアは影だけ残して消えた。

エドは自分が居るから良いけどアクア

にやる気はあるのかって怒ってた。

やる気は……無いよね。

殆ど居ないもん。

ま、1000年前の事が聞けたから良し

としよう。


エドも居るし他も隠れ護衛騎士

様達も居るみたいだし大丈夫でしょう。

日中はノアにサイラスにって私の周りは

てんこ盛りだしね。


今日の魔力実演授業は『火』だ。

私は魔力が使えないのでいつも1番後ろの

席で見学している。皆んなが魔力を使って

いるのを見させてもらってイメージトレー

ニングしているのだ。


魔力実演授業は特別室でする。

学園の中は魔力禁止なので魔力が漏れない

作りになっている部屋だ。

授業中は先生が解除しないと外からも人は

入れない作りになっている。


その日は何故か真ん中の席しか空いて

いなかった。ぐるりと教室全体を見ると

斜め後ろにクラリス様が座っていた。

勿論取り巻き令嬢達もだ。

いつもは居ないのに。わざわざ嫌がらせ

しに来たのかな?

暇なご令嬢だ。


他の生徒達は彼女に逆らえないようで

真ん中の席を空けておいたようだった。

ま、良いかととりあえず座る。


先生が来て授業が始まった。

取り扱うのは火なので慎重にと。

初めはチョロチョロと指先に火を出す。

隣の生徒や前の生徒が小さく出しているのを

見て心の中で『おおー!』って感動してた。


すると何か私の後ろで飛んでる気配がする。

それと同時に少し焦げ臭い。


「あら、嫌だ。上手くコントロール出来なくて

火が飛んでしまったわ」


クラリス様がそう言って手をぶらぶらと

振っていた。

彼女が放った小さい火が私の頭をかすめて

髪の毛を焦がしていたらしい。


あーあ。今日のまとめ髪はメアリーが今ま

での編み込みで1番ゴージャスで素敵に出来

たって喜んでたのにきっとぐしゃぐしゃ

になちゃってるな。しかも焦げてるときた

もんだ。


「き、気を付けて下さいね?」


先生が小さな声で一応注意の様な事を言って

るけど明らかにクラリス様の事を怖がって

るな。何か脅してるのか?


「はい。でも〜魔力が使えない人がど真ん中

に座ってるってどうかと思いますわ。

こういう事が起こっても防御出来ない

でしょう?」


なーるほど。うん。うん。嫌がらせだけど

本当にそうだよね。


「本当ですわね!私ったら気が付かなくて!

1番後ろに行かせてもらいますわ。あ、そこ

のご子息様、私と席を交換して下さいませ」


私は立ち上がって1番後ろに座っている

男子生徒にお願いした。


「お嫌みたいですわよ?防御出来ないの

であれば席無しで後ろに立っていては

どうでしょう?」


男子生徒が変わってくれようと席を立とう

とした途端、クラリス様は男子生徒を睨み

ながら言った。

別に席無くても良いけど。

だってあと30分ぐらいだし。


「分かりましたわ。後ろで立ってます」


私は普通にそう言って移動しようとした。

それがクラリス様の地雷を踏んでしまった

ようだ。

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