表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
198/318

学園再開③


イザーク殿下との話が終わり直ぐに私は

ヴィンセット家に一旦帰り喪服に着替えて

出掛けた。


悪魔襲撃事件は1人のご令嬢が犠牲に

なった。

そのご令嬢の葬儀に出席する為だ。


私が隣に座ってしまった

ばっかりに……。

申し訳なくて葬儀も参列するか迷ったけど

結局参列したのだ。


ご両親に挨拶をしに行った時思わず

すいませんと誤ってしまった。

が、あの事件は悪魔がたまたま学園を

襲いに来た事になっている。


悪魔の存在は国民に知らせたが女神様の

存在は伏せている。

よって私がターゲットだったことなど

ご令嬢のご両親は知らない。


「娘は犠牲になってしまったけれど貴方や

周りに座っていた生徒さんが助かって本当に

良かったですよ」


優しい笑顔で犠牲になったご令嬢のお父様が

言ったので、うっ、って私は言葉に詰まった

けど本当の事は言えないので深く頭を下げて

その場を去った。


一緒に行ってくれたノアに頭をポンポンされて

馬車の中では抱き締められた。


「辛かったですよね。やはり来なかった方が

よかったのではないですか?」


ぎゅーぎゅー私を抱き締めながら言う。


「いえ、いくら本当の事が言えなくとも

来なければいけませんでしたわ。もう犠牲者

を出さないようにしなくてはと改めて思い

ましたもの。来て良かったです。一緒に

来てくれてありがとう。ノア」


お礼を言ったら更にキツく抱き締めてきた。

骨折れる。ノアよ、最近の君は身長も伸びて

腕の筋肉もいい感じでついているのだ。

これ以上力を入れられると私の背骨が砕けて

しまうぞ。


「ノア?少し苦しいので……」


「あ!すいません!姉様が健気で可愛くて

つい……」


そう言ってさりげなく自分の膝に私を乗せた。

これはノアが小さな頃からしたかった

『クラウディア膝乗せ』では!?

何気なくサラッとしてきたよ!

そして更に私の頭に顔を埋めて密着

してきたよ!


「姉様?明日から学園が始まります。僕は

出来る限り姉様を護りたいです」


頭に顔を埋めたまま喋るもんだからノアの

唇があたっている一部分が温かい。

ノアの息がほわほわ頭皮にかかる。

何となく止めろとも言えないのでそのまま。


「ありがとう。でもきちんと自分の授業には

行って下さいね?」


「本当は姉様の授業に参加してずっと一緒に

いたいですけど」


「ふふふ。ありがとう。その気持ちだけで

十分だわ」


ノアが突然顔を上げた。そして片方の手で

私の顔を自分の方に向けた。

私、ノアの膝の上に横坐りしてる状態だから

ノアが少し顔を下げるとドアップよ!

馬車がガタンってなったらキスしちゃう距離!


何なの?私を殺しにかかってる?


「あの事件以来、本当に心配で、心配で。

お母様に毎日止められるのですが夜も一緒に

寝たいぐらい心配なのです!せめて学園が

お休みの間だけでもって言ったのですが

許可が出ませんでした。明日からは僕また

寮に戻るのに……」


ほう……。そんな事が繰り広げられていたとは。


ルイお兄様もローズお母様に毎日私の部屋に

簡易ベッドを持ち込んで寝て良いかって

お願いしに来るってローズお母様が呆れ顔で

言ってた。


兄弟揃って考える事が同じだ。

流石にさ、もうお互いの年齢がね。

いくら兄と弟っていってもね。

シスコン溺愛が過ぎるわ……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ