学園再開②
「そうだ。食事の事を『メシ』『ご飯』とか
他にも色々言い方がある」
イザーク殿下の説明に真剣に頷いているエド。
可愛すぎる。私の従僕が可愛すぎる件。
「イザーク様とクラウディア嬢の居た世界は
本当に色々な物や言葉がありますね。私も
一度行ってみたいものです」
アベル様がニコニコしながら私を見た。
「んー。良い事ばかりではありませんよ?」
「そうでしょうね。国にはそれぞれに良い事、
悪い事がありますから」
アベル様は大人だな。あれ?
いつもこんな人だったっけ?とも思う。
性格とかじゃなくて外見が……。
こんな瞳の色だった?髪の毛の色はこんなん
だった?って。印象が薄い?
それとも私、最近物忘れきてる!?
脳がおばちゃんだから?いや、脳はおばちゃん
じゃないか。感覚がおばちゃんだから?
もー。よく分からないけど会う度にアベル様
の雰囲気が変わってるように感じる。
私だけだろうね。
あまり気にしなくてもいいか。
「で、ディアはエドと今日連れて来てる
専属護衛騎士を連れて行くのか?」
「あ……うん。そうなるね」
「ディアが専属の騎士を付けるなんて思って
無かったから驚いたけど……アイツが悪魔だからか?」
ぶぅぅぅぅーーーーーー!
私は勢いよく紅茶を吹き出した。
それをエドがささっと魔法で一瞬空中で止め
綺麗に消してくれた。イザーク殿下とアベル様に
かからなくて良かったよ。ありがとう。
ユーリ様が言ってた通り皇帝一族にも見抜く
力があるんだー。本当だった。疑ってた訳
では無いよ?
「そうなのですか?あの騎士は悪魔なのですか!?」
アベル様が驚いて立ち上がった。
それをイザーク殿下が大丈夫とまた座らせた。
「ディアがヤバい悪魔を専属護衛騎士にする
訳が無い。そうだろう?」
「うん。色々あってきちんとレオンお父様
からもユーリ様からもOK出てる。あ、
レオンお父様は悪魔だって知らないけど。
ユーリ様には直ぐに悪魔だってバレた。
見抜く力があるんだって。その力、皇帝一族
にもあるんでしょう?」
「そうみたいだな。で?あの悪魔について
説明してくれよ」
「それは嫌だ」
「へ?何で?神殿様には説明したんだろう?
そうじゃないとOKはもらえないだろ?」
「んー。害のない悪魔だって事だけじゃダメ?」
「何でだよ。あ!さては……面倒くさいんだ
ろう?そこは変わってないなー。ならいいや」
「殿下!?いいのですか?悪魔ですよ!?」
アベル様が焦りだした。
「この子はね、面倒くさいスイッチが入ると絶対に
ダメなんだよ。何を言っても面倒さい!で終わり。
だから害が無いならいいよ」
ふふふ。よく分かってらっしゃる。
面倒くさい90%で何かあった時に巻き込みたく
無い10%ね。
イザーク殿下でこんな直ぐに見抜けるなら
アダン殿下や皇帝陛下には絶対に合わせられんな。