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ヴィンセット家の最終兵器②


「あぁ……ディア。もう体は大丈夫なのかい?

遅くなってしまってすまなかったね」

笑顔で近づいて来る。

はい。もうね、世界のイケメン男子高校生部門

堂々1位ですね。世界通り越して銀河系イケメン

でも通用するわ。しかも即殿堂入りだね、これ。

あっ、もう高校卒業しちゃってるけど。


殿堂入りがドンドン近づいて来るから私は

ドンドン後ろに下がる。

なんかもう綺麗すぎて怖くなっちゃった。

それ以上来ないで欲しいと思ったらつい腰が

低くなり両手が前に出る。

ちょっとこっちに来ないでポーズだ。

これって少しレスリングの構えに似てる。

そんな姿勢になっちゃってる、私。


「ふむ」

ルイお兄様は一言。

そして近寄るのを止めてソファーに座った。


「ディア、これから夕食なんだよね?

ほら。ん」

自分の太ももを両手でポンポンしながら

笑顔で言う。


「ん?」

私、疑問形。

「ん」

ルイお兄様、断定形。


え?その断定形の「ん」は膝に座れってこと

かな?

ルイお兄様がこの後、地獄を見ること

になるであろう膝上問題……。


待て、待て、待て。


分かっているよ。この世界は溺愛が常に

やってくる。キラキラしてやってくるの

だ。こうなったらアフロなおばちゃんも

腹を括ったよ。

溺愛上等!!


が、しかし、待て、待て、待て。

ルイお兄様の膝上は犯罪の匂いがプンプンする

よね?未成年なんちゃらかんっちゃらで。

私、お縄になっちゃわないか?

今の私が14歳だとしても脳がアフロなおばちゃん

なわけでどうしても犯罪に結びつく。


なので、頭をフルフルしてお断りしてみた。


「あれ?この前、食欲がない時はルイお兄様の

膝に座ると沢山食べられるような気がするって

言ってたよね?」

そう言って妖艶な微笑みで私を見る。


記憶にございません。


「それに2人だけのティータイムの時は私の膝に

座っていたよね?どうして今日は嫌なの?

……さぁ、おいで」


そちらも記憶にございません。


が、しかし天使なノアが言っていた通り座って

いたんだね。しかもガッツリと。

レオンお父様とルイお兄様の膝上の違いは

何なのか。

アフロなおばちゃんの記憶が戻る前の

クラウディアの気持ちが全然分からんよ。


何にしてもアフロなおばちゃんには

あなたの「おいで」に勝てるだけの精神力

は持ち合わせておりませんで。

銀河系殿堂入り美少年から言われた『おいで』

の破壊力な。

これを拒否出来る女がいるだろうか?

もう、犯罪者になってもいい。

むしろ喜んで犯罪者になろう。


私は恐る恐るルイお兄様の膝に座ってみた。










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