第2章 皇帝陛下とお茶会
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第2章始まります!
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「ほら。小さな子が好きそうな菓子を用意
したぞ。好きなだけ食べろ」
目の前に座って居る私のドストライク男
がニヤニヤしながら言った。
小さな子って……。
一応15歳なんですが?
冬の天気が良い昼下がり私は皇帝陛下と
豪華なお部屋でお茶をしている。
今回はレオンお父様もユーリ様も居ない。
エドもメアリーも王城の別室で待機だ。
ここには私と皇帝陛下と陛下の護衛騎士様が
2人部屋の隅の方で、その他10人が部屋の外の
ドア前に立って警護している。
なのでお茶を淹れたりするのは全部私の役目だ。
……やっぱり好みだ。
皇帝陛下なのにこのワイルドなところとか
口は悪いのに優しいところとか肩幅広いところ
とか……言ってたらキリがないので止めよう。
私がユーリ様に保護される前に話がしたいと
皇帝陛下からお誘いがあって今に至る。
「しかし未だお前が女神の生まれ変わりだと
は信じられんな。確かに外見はそっくりなよう
だが……」
この国は女神信仰なのだ。
だからこんな私が信仰している女神様の生まれ
変わりと言われても腑に落ちないんだろうなぁ。
私自身も腑に落ちてないからね。
「……私も信じられませんわ」
「あはは。そうか本人もそう思うのか。
面白いな。普通なら生まれ変わりを盾にして
散々やりたい放題しそうなものだがな」
「そんな滅相もございません。そもそも私自身
女神様の生まれ変わりなど今でも思っていない
のですわ」
「でもな、色々と当てはまり過ぎていてな。
とりあえず様子見だ」
「はい……様子は見てみます……」
チョコクレープを食べながら私は言った。
その姿をじっと見ていた皇帝陛下は
「その様な華奢で小さい体でよく誘拐犯達
とやり合ったものだな」
と、少し驚いた表情を見せた。
「お前は戦いの訓練もしていないと聞いて
いるぞ?しかし報告ではあの大男達数人を
仕留めたと……。どんなカラクリだ?」
面白そうに私を見つめる。
「え?あ、あれは……。火事場の馬鹿力と
言うではありませんか。私、エドを救いたい
一心で頑張りました。ですので戦いと言うより
はただガムシャラに暴れていただけですわ」
「ふーん。そうなのか?」
良かったー!この国にも火事場の馬鹿力
って言葉があって。
私は紅茶をがぶ飲みする。
「俺もレオンからずっとお前の話を聞かされ
ていたのだがなアダンもルイから聞かされて
いたようだな。アダンはお前が女神と同じ瞳
と髪の毛だと知っていたぞ。俺は知らなかった
のにな」
あはははと豪快に笑う。
あーもー最高にドストライクだ。
私と結婚しとくれ。
歳の差親子。精神年齢同じ。
複雑だな。
とりあえず話が逸れたから良かった。
「そうでございましたか……。私の話など
聞かされてさぞかし面白くも無かったと……。
申し訳ございません」
いや、ホントに。会った事も無い娘の話なんて
聞いたって『あっそう』じゃない?
「謝るな。レオンからの話はどんな事でも嬉しい
のだ。くだらないお前の話でもな」
幸せそうな顔でうっとりしながら言った。
あ?そうだった。この人レオンお父様を溺愛
しとるんだったな。
「それにくだらないお前の話の中にも幾つか
興味深いモノがあったぞ?」
くだらないって2回も言った。
本当に面白くなかったんだろうな。
ごめんよ。
「まずな、お前レオンが魔力暴走した時に止めた
らしいじゃないか。あのユーリでも出来なかった
と聞いたぞ?あぁ、あの日はお前の両親の葬儀
だったな。ロノフとソフィアは俺もよく知った仲
だった。葬儀に参列する予定だったのだが体調が
悪く行けなかったのだ」
そうだったんだ。
「俺がその場にいたらレオンの暴走は俺が
止めれた。いや、必ず止めた」
おぉぉ。流石溺愛ですな。
「で?どうやって止めたのだ?まだ幼かった
お前が」
「幼かった時の出来事でございます。全く
覚えておりません」
私はニッコリ微笑んだ。