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決心④


レオンお父様が私を見てニコリと微笑む。


「何が悲しかったのだ?」


なぬぅ〜!?レオンお父様まで……。

あっ。


「もしかしてこのネックレスもルイお兄様から

頂いたピアスと同じ機能ですの!?」


「同じ?あぁ……。それでルイが今ここに居る

のか。そうだ。同じだ」


ルイお兄様からピアスを貰った時と同じくして

レオンお父様からもネックレスを貰っていたん

だけど……。

勿論ネックレスもきちんと付けてますよ。

流石親子だ。考える事が一緒……。

だから私に自由はないのかい!


「で?このヴィンセット家では緊急事態の時以外

は魔力を禁じているが?」


低い声でレオンお父様が息子2人に言った。


「緊急事態です。ディアがノアに泣かされました」


あっ!それ違うから!泣かされてないし!

しかも私が泣いても全然緊急事態じゃないよ

ね?


「そうか。それは緊急事態だな」


へ?マジで言ってる?

顔が本気だ。これはノアがヤバい。


「レオンお父様?違いますわ。私が1人でわーって

なりまして泣いてしまったのです。ですからノア

のせいではないですわ」


何、『わー』って。こんな意味不明な説明で

納得するわけがない……。


「それは本当か?」


なぬ!?『わー』でもいいんだね。


「はい。逆にノアを驚かせてしまいました。

ごめんなさいね、ノア」


私はノアに謝る。


「ノア、お前が側にいていながらディアに

わーと思わせたのか……?」


一段と声が低くなる。

ひぇぇぇー。何で?そうなる?

わーってなったのはノア関係ないじゃん。

レオンお父様怒りマックスだよ。

どうしよう……。

ってレオンお父様が『わー』って言った。

可愛過ぎない?


そう思ってたら気急激に眠気が襲ってきた。

コレは……久しぶりにきた。私の体の中で

育ててる『何か』に負担がかかった時になる

アレだ。今日は流血しないだけマシか……。


全力で雪遊びをしてストレス溜まってて号泣して

負担がかかったのかな。

私はレオンお父様の胸に抱かれながらウトウトし

始めた。相変わらずいい香りもするのでそれも

手伝って私は深い眠りに落ちた。


その後はルイお兄様とノアが一晩中レオンお父様

のお叱りを受けていたらしい。

なんかごめんね。


次の日の朝。

ノアが旅立つ。

家族と屋敷の皆んなでお見送りだ。

ウルウルしちゃう。


「姉様、来年からは同じ学校ですし少しの

我慢です。学校ではずっと一緒ですよ?だから

泣かないで下さい」


そう言ってノアが私の頬に伝う涙を拭ってくれた。

あれ?私泣いてた?おばちゃんは涙もろくて困る。


それと同じ学校でも君は聖騎士科で私はどの科に

なるか分からないけど流石に同じ科でないでしよう。

ずっと一緒は無理だ。


私の涙を拭ったノアの手を隣にいたルイお兄様が

ギギギと音が鳴りそうなほど強く握る。


「さぁノア。もう時間だね。馬車に乗らないと」


「え?あ……」


まだ何か言いたそうなノアをルイお兄様は

引きずって馬車へと向かう。その後をノアの

護衛騎士ジョゼフ君がついて行く。


ふふふ。何だかんだ言っても仲の良い兄弟な

んだよね。

そして仲の良い家族、使用人達。

その中に居る私は幸せ者だ。


昨日私は決めたのだ。前世は

良い思い出といて心にしまう。

号泣してスッキリしたみたい。

もう裕子ではなくクラウディアなのだ。

今世を大事にしなければ。

この国は前世と違って平和な様で平和

ではない。あの悪魔だっていつ襲ってくる

のか分からない。


キルア様が亡くなった時ルイお兄様が図書館

で1人静かに泣いていたのを私は知っている。

レオンお父様だって書斎でいつもは飲まない

お酒を飲んでいた。

私はもう誰も失いたくはないし悲しませたく

もない。


私は強くなる。折れないぐらい鋼のメンタルを

手に入れて大事な人達を守る。

もしかしたら出来ないかもしれない。

だけどやれる事は全部やってみる。


守られているばかりでは駄目なのだ。

元レディースの底力見せてやろうじゃないか。

伊達に頭張ってたわけじゃねーよ?

ついヤンチャしてた時の言葉使いが出て

しまった。

せっかく裕子の記憶を持っているのだから

今世で活用出来る事はする。


『ポネットの生まれ変わり』だけは

謎だけどきっとなる様になると思う。

ポジティブなのが私の良いところだ。


私はノアが乗った馬車と手を振っている

皆んなを見ながら心に誓った。

この幸せを必ず守ってみせると。

いつも読んで頂きありがとうございます♪

ブックマーク登録や評価嬉しいです!

本日第1章が終わりました!

次から第2章が始まります。

第2章もゆるりと更新していきますので

皆様もまったりと楽しんで頂けると嬉しいです♫

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