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王城にて②


ドアが開かれ皇帝陛下が側近のロレン様と

一緒に入って来た。

ロレン様はミエル様のお父上だ。

レオンお父様より少し年上でイケオジ系。

プロポーション完璧でヤバい!思わず後ろ

から抱きつきたくなるぅ〜。

前からでもいいけどね!

カッコいいわ〜。


その後からユーリ様も入って来る。

今日はユーリ様も側近の2人を連れていた。

こう見るとユーリ様もきちんとツートップ

の1人に見えるね。公式の場ではカッコいい

わ〜。


あら?皇帝陛下だから王冠頭に載っけてる

のかと思ってたら載けってなかった……。

ちょっとテンション下がる。


しかーーし!皇帝陛下すんごいイケメン

なんですけどーーー!

年齢はユーリ様と同い年って聞いてたけど

うん、うん。大人だわ。整ったお顔なのに

ワイルドな色気全開……。昔ヤンチャして

ました的な?ちょっと暴れまくってました

的なぁぁぁ!?

私のドストライク……。

クラクラする〜。

今私、白目むいてない??

大丈夫?

アダン殿下と同じ真っ赤な髪色が更に色気

増し増しにしとる。


今気付いたけど、この貴賓室てばイケメン

度数半端ねぇ。

イケメンじゃない人がいない空間って

マジ怖い。

しかも女性が私だけって……。

逆ハーってやつなのでは!?


はっ!色々考えちゃってて頭下げるの忘れ

てた。私は慌てて勢いよくガバッと頭を

下げた。それを見た皇帝陛下が


「今更か」


とツッコミを入れてくるあたりもドスト

ライク!!


「顔を上げよ」


声までドストライク!!


「お前がクラウディアか。毎日レオンにお前の

話を聞かされているから初めて会った気が

しないな」


ニヒルな笑い顔……。たまらん……。


ん?今なんと言った?毎日!?

私の情報が皇帝陛下に筒抜け!!

レオンお父様グッジョブよ!

無理矢理のアピール。最高!

溺愛万歳!


「なるほど。金色の瞳か。これは……

レオンお前俺にわざと伝えてなかったのか?

クラウディアの瞳の色を。ユーリは知って

たよな。幼い頃から会っているのだから」


皇帝陛下が大きなため息をしながら言った。


「だってお前が訊かないから普通言わない

だろう?『俺の姪っ子は金色の瞳で可愛いぞ』

なんてよ。そもそもディアに興味なんぞなかっ

ただろうに」


興味なし。ですよね……。


「お前も知っているだろうが。俺は妻と子供

達そしてレオン以外は興味がない。まぁ、いい。

この話は後からだ」


皇帝陛下がまたニヤリと笑った。

その野生的な微笑み。

くぅ〜。だからたまらんって!


しかしなんか違う意味だがレオンお父様に

負けたような気がするのは何故?


あ?コレって失恋じゃね?

だって私に興味ないんでしょう?

ふっ……恋をした途端に即失恋。

人生そんなもんよ。


それはそうとレオンお父様はわざと私の瞳の

色を伝えなかったのではなく全然気にして

なかったんだと思うよ。瞳もそうだけど髪の

色もね。だって先日ユーリ様から言われて

初めて気がついたって顔してたもん。

レオンお父様って天然なところあるんだよ。

そこが多分ユーリ様や皇帝陛下が気に入ってる

とこでしょう?

って言いたいけど言えるわけもなく。


あ、とりあえず挨拶を……。


「あ、え、お初にお目にかかり……」


「あ〜堅苦しい挨拶はいいから。本題に

入れ」


うひゃーー。

面倒くさそうな表情最高だ……。

このまま何時間も一緒にいて一緒の空気吸っ

てたら私、気が狂うのでは!?

ま、失恋したけどな。

さぁ、気を取り直して本題へ。


私はキルア様の体に触れて見えた事だけを

伝えた。親族会議で皆んなに伝えた悪夢の

事や私が言った言葉については言わなかった。

ユーリ様に言わない方がいいと言われたし

私もその方がいいと思ったからだ。

後付けと思われても嫌だったし。


話が終わり皇帝陛下とユーリ様とレオンお父様

そして皇帝皇帝と神殿のお偉方数人で場所を変

え話し合いが始まった。


私はアダン殿下とルイお兄様と一緒に貴賓室

で結果を待つ。

アダン殿下がずーーーーと私を見てる。

まぁ、知り合いに似ているのだから気になる

んだろうけど。


「アダン殿下。ディアを見過ぎです」


「良いではないか。減るものではないだろう?」


「いいえ。減ります」


「おぉぉ。そうか。どの辺が減るのかな?」


……何?この子供みたいな会話。

そう思っていたらドアが開きメイドさん達が

お茶とお菓子を持って来た。


「待ってる間、お茶でもと思ってね」


気が利くな……。殿下なのに。


目の前に紅茶とマフィンが置かれる。

このマフィンは昔からこの国にある最古の

お菓子と言われている。

今でこそ色々な味のモノが作られているの

だけど最初に作られたオリジナルはハーブと

塩が入っているだけの素朴なモノだ。

昔は砂糖が貴重だったからという事もあった

らしいがお菓子よりも食事になる方が国民達

には有り難かったようだ。


私はこのオリジナルマフィンが好きだ。

何でかは分からないけど。


いただきますと心の中で言ってマフィンを

頬張る。『いただきます』は異世界語だと

知ったから迂闊には言えない。


「オリジナルマフィンは1000年前からある

お菓子だけどディアちゃんはコレ好きだよね?」


突然のディア呼びと私がこのオリジナルを

好きだという事を知っているのに驚いた。

ルイお兄様が言ったのだろうか?


「ディア呼びを許してはいませんが」


ルイお兄様がキッとアダン殿下を睨む。


「良いではないか。もう知らぬ仲ではない

のだから。ね?ディアちゃん」


うぐ〜。殿下なので嫌とは言えぬが別に

ディア呼び嫌ではない。


「え、ええ。構いませんわ。ルイお兄様が

お仕えされているお方ですもの。その呼ばれ

方の方が嬉しいですわ」


「ほらみろ」


アダン殿下は勝ち誇ったようにルイお兄様を

見た。

喧嘩しないでね。仲直りしとくれな。


「でも何故、私がオリジナルマフィンを

好きって……」


言いかけた時ドアが開きレオンお父様が入っ

て来て言った。


「ディアは神殿様が保護する事に決定した」

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