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ヴィンセット家の最終兵器


中々部屋から出て行ってくれないキラキラ

夫婦にレオンお父様の執事ロバートが


「そろそろお嬢様を休ませてあげては……」

と、言ってくれた。

ひゃほーい!ロバートありがとう!


その後、夫婦はキラキラの余韻を残して

渋々去って行った。

メアリーも

「少しお休み下さいませ」

と、言って出て行ってしまいエドは戻って

来ないのでやっと1人になれた。


ふぅー。今思い出したけどこの物語は

次から次へと起こる事件と同じぐら

いの頻度で溺愛がやって来る!

そんな感じだった!

アフロなおばちゃんにそれが耐えられるの

か〜?それとも慣れてくるのか!?

むぅ〜。


で、どーしてこうなった?の基本的な疑問。

まず古本屋のデブ専は確実に関わっている

よね。あっ、デブ専ってはっきり言ちゃっ

てるし。もうデブ専でいいわ。

デブ専がこの物語の中に私を引き込んだの

だろうか?目的は何?全然分からん。


私はごく普通のおばちゃんで人より秀でた

ことなんて1つもない。

頭だって悪い。若い頃ヤンチャしまくって

全然勉強しなかったから。

ありゃりゃ。それヤバくない?だって物語

のクラウディアは頭良くてどんどん事件を

解決してってた。


そんなん、私が出来るわけない。

確かに物語は少し読みました。でもね大きい

事件から小さい事件まで次々起こるもんだ

から詳細まで記憶にございませんのよ。

頭の中で色んな事件が混じって何が何やら

訳分からん状態。


むむむーーー。と、また豪華なソファーで

頭を抱えていると


「お嬢様、夕食をお持ちしました」

と、メアリーの声が。


え?もうそんな時間??

早っ!おばちゃんになると時間の感覚も早く

なるのよ。これがさ……。


開いたドアから豪華な食事がどんどん

ソファー前にあるテーブルに置かれていく。

フルコースだな。昼間、倒れた人間に

ガッツリなフルコース。

料理長よあっぱれだ。


いや、私は食べるよ、全部。

実は物語を読みながらこの話に出てくる

料理が美味しそう〜って思ってたのさ!

文章だけでもヨダレが出てたぐらい。

それが目の前に並べられているではな

いかーい!


「お倒れになったお嬢様にこんな量は

無理だと料理長に言ったのですが……

普段の日でも夕食はスープしか召し上がり

ませんのに」

と、メアリーが申し訳なさそうな顔で頭

を下げる。


へ?少食とは書いてあったけど夕食が

スープだけだと!?

そんなんで人間生きていけるのか?

私には無理!

メアリーの言葉に驚いていたら何やらまた

ドアの向こうが騒がしい。


「何故もっと早く私に知らせなかったのだ?

知らせが来たなら直ぐに駆けつけたものを!」


ん?天使と似たようなことを言ってる奴がいる。

そう思ってドアを見るとそこには信じられない

ほど美しい男性が立っていた。


「ルイお兄様……」

私は呟いた。


プラチナブロンドの長い髪を後ろで結び

キラキラのダークグリーンの瞳は宝石の

よう。長身でスラリとしているがしっかり

と筋肉もついている。

もの凄く眩しくて直視していられない。


来たか……。ヴィンセット家の長男にして

最終兵器。

ルイ・ヴィンセット 17歳。

一般的には高校生の年齢だが彼は頭が半端なく

良く飛び級して既に卒業している。

今は第一王子の第一側近として王宮で働いて

いる。レオンお父様と同じ職場ってことだね。


その最終兵器をこのタイミングでぶっ込んできた。

いや、他のタイミングなら良いのかと言われれば

それもダメだ。

だってヤバい。何もかもがヤバくて彼の周りだけ

次元が違うような気がする。

こ、腰が引ける。


私はソファーからゆっくり立ち上がりルイお兄様

から逃げるように距離をとった。

いつも読んでいただきありがとうございます!

明日も更新します♪

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