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6話



俺は今、告白をする気だ。


未来が自殺して初めて分かった。


大切なものは案外一瞬で無くなるんだ。


なら、少しでも。出来ることはしておきたい。


後悔がないように。



「俺はずっと前からお前の事が…………。」


「ストップストップー!」


「…………。」



そうか。告白すらさせてくれないのか。


やっぱり未来には脈が無いんだ。


幽霊だけに? やかましいわ。


とにかく、ここまで思わせぶりな事を言ってもう言い訳は出来ないだろう。


うん。死のう。



「あーっ! ごめんなさい! あの! これには事情がありまして!」


「もうわかったよ。それがお前の答えなんだな。無理強いはしないよ。俺はお前の仇を討ってから自殺し…………。」


「だから違いますって! 一旦話を聞いてください!」



事情も何も、その答えが全てだろ。


俺は振られたんだ。


自分は好きじゃないのに自分の事が大好きな男と暮らすなんて嫌だろう。


俺はさっさと消えよう。



「はうぅっ、ごめんなさいぃ! 先輩を傷つけたい訳じゃないんですよ!」


「ふっ、お前は優しいな。でも、もういいんだよ。お前の為にも俺は消え…………。」


「もう! 一旦黙ってください!」



未来はそう叫んだ。


あまりの勢いに俺は黙ってしまう。



「ふぅ。じゃあ、話しますよ。私が幽霊なことはもう知ってますよね?。」


「あぁ。」



あんな様子見せられたら否が応にも知ってしまうだろう。



「幽霊って、この世に未練があるから幽霊になるんですよ。まぁ、私は多分それだけが原因って訳じゃないんですけど。まぁ、それは置いといて、私は先輩にさっきの言葉の続きを言われたら困るんですよ。」


「なんで?」



全然話が理解出来ない。



「はぁ、先輩は理解力が無いですねー。私の闇の眷属である先輩は私のように聡明でないと。」



いちいちムカつくな。


だが、そんな所さえも可愛いと思ってしまう俺は病気なんだろうか。


いや、病気か。恋という名の病気に俺はかかってしまったんだな。



「先輩…………なんかキモチワルイこと考えてますか? まぁ、いいや。じゃあ、先輩は幽霊はどうやったら成仏するか知ってますか?」



なんだろう。



「あ、なんか、除霊見たいな? この前テレビで見た。」


「…………違いますよ。なんかそういう事じゃなくて…………。他の方法です。」



他の方法…………なんだろう。


俺はそういうオカルトチックな話題には疎いんだ。



「ヒントは、幽霊になる原因ですよ。」



幽霊になる原因?


あぁ、分かった。



「この世に未練が無くなったらだ!」



くくく、分かってしまったぞ。


俺がドヤ顔で未来を見ていると、未来は呆れ顔で俺を見返した。



「いやいや、そんなドヤ顔されましても。ここまで聞いて分からない時点でまぁまぁやばいですからね!?」


「嘘だろ!?」



これ以上なんかあるのか?


あ、いや、けど確かに本題は全然解決してないか。



「はぁ、もうほぼ答え言っちゃいますけど、私はまだ成仏したくないんです。まだ消えたくないんです。だから、未練が無くなってしまったら困るんです。ほら、これでもうわかりましたか?」


「いや、全く。」


「嘘でしょ…………。」



未来はこめかみを抑え始めた。



「先輩がやろうとしてる事をされたら私は成仏してしまうんですよ! これで理解出来ましたか?」



ん? という事は、未来は俺に告白されたら未練が無くなって成仏してしまうという事になる。


つまり、未来は俺に告白されたくて幽霊になったってことか?


それってつまり…………。



「ほぼOKってことなのか?」


「ふふっ、私も先輩もまだ何も言ってませんよ。けど…………デートくらいならしてもいいですよね。」


「っ!? あぁ!」


「私は先輩が言おうとしていた事の続きを聞いたら多分消えてしまいます。その続きが私の思ってる通りだったらの話ですけどね。」



その答えに俺は歓喜する。


そして、同時に後悔もした。


もし、未来が自殺する前に告白していれば。


もっと親しくしていれば。


未来は自殺しなかったかもしれない。



「未来…………。」


「なんでそんな顔してるんですか。やっぱり先輩にはそんな顔は似合ってませんよ。ほら、笑ってください!」



そう言うと未来はにっこりと笑う。



「未来、これからは俺とお前は恋び」


「あー! だから言わないでください!」


「ご、こめん!」



危ない。だいぶラインは曖昧だが、できるだけそんなようなことは言わないようにするべきだな。



「これから、楽しく過ごしましょうね、先輩!」


「あぁ、そうだな!」



嬉しくなった俺は未来に抱きつこうとする。


だが、それを邪魔する音が鳴った。



ぴんぽーん



チャイムの音だ。


その後、女性の声で「凛斗くん居ますかー?」と言う声が聞こえてきた。


非常にイラつく。



「とりあえず出るから、待っててくれ!」



俺はそう言うと、玄関へと出た。




その日から、俺と未来の奇妙なラブコメが始まったのだった。


下の星が青くなってたら、きっと、皆さんは、幸せになれます。

幸せの青い鳥ならぬ幸せの青い星です。


少なくとも私は幸せになれます。


何卒、評価の方をお願いします!

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