21、騎士団会議
「これより騎士団会議を行う」
エルドラーン王国国王の言葉と共に、巨大な扉が開くと、ルイス達4人は会議室に通されたのだった。
会議室といっても、その中は巨大な聖堂のようになっており、部屋の中央上部には騎士団の印である聖剣・双銃・精杖・神書をそれぞれ模した彫刻が置かれていた。
ルイス達が通された空間に圧巻されているとそれをみた国王に
「そんなに緊張しなくてよい。ルイス、アリス、ウェルガン、シャナ空いている席に座りなさい。君たちには、この間の魔族について話を聞きたいのだ。」
迫力のある顔からは信じられないほど優しくそれでいて力強い声が響いた。
「挨拶が遅れたね。私はゼビノア・ネロ・エルドラーン。この国の国王だ。少々早いが魔族との事を聞かせてもらうよ?」
ゼビノア国王が話すと、ルイス達が入ってきた扉から何人かの男女が現れ椅子に座ると、いよいよ会議が始まった。
ルイス達4人は、学園で起こったやゼビノア国王に聞かれた事を詳細に話し、国王や椅子に座った人が何やら難しい顔をする事数時間、
「ルイス、君が話した事に嘘は無いんだね?」
ゼノビア国王はルイスに確認をとると、
「先ほどの話に出てきたルイス君の召喚獣にも、話を聞きたいのだが呼んでくれるかい?」
「分かりました。今呼びますので少々お待ち下さい」
ルイスは右手を突き出すし、アリオンの名前を呼ぶと、右手が白く輝き、光の中からアリオンが姿を表した。
アリオンの姿を見た国王やその側近と思われる人々は、アリオンの白く美しい毛並みに見惚れていた。
「……ッハ!」
アリオンの姿に見惚れていたうちの1人がアリオンを呼んだ目的を思い出し、ウッウンと軽く咳払いをすると、毛並みに見惚れていた人たちは、現実へと帰ってきたのだった。
「すまない、あまりにも美しい毛並みに見惚れてしまった。君たちとは、初めて会うね。僕は29代聖騎士団団長アーサー・ランロット。これからよろしくね。早速だがアリオン、君が遭遇して撃退した魔族について教えてくれるかな?」
アーサーは、とても綺麗で何も知らない人が見たら女と見間違われてもおかしくないほど美形で髪の色は、アリスよりも薄い赤い色をしていた。
現聖騎士団団長のアーサーは本題に乗り出しアリオンからも話を聞くことにした。
「我が戦った魔族は何者かの……恐らく幹部の手下であろうな。正直雑魚だと思い油断していた。逃げられてしまった」
逃げられた。その言葉にこの空間にいる人がざわめき出した、学園長エマ以外は。
「エマ・ダスピクルエッタ。どういうことだ!ルイス君たちが魔族を倒したのでは無いのか。説明しろ!」
先ほどの優しい声と同じ人物とは思えないほど重く響く声でゼノビア国王は声をあげた。
「まぁ〜落ち着きなよ。国王様〜、僕は何も魔族を倒した。なんて一言も言ってないよ。僕が君たち王国側に入れた報告は、学院側に魔族が侵入、そしてそれを、学院の一年生達が撃退させた。そう報告したはずだけど?報・連・相しっかりしてよ」
エマは何が可笑しいのかクスクスと、笑いながら状況を説明した。
「それに、僕用の連絡係を勝手に変更するなんて事前に教えてくれてもよくないかい?」
「ま、待て。連絡係を勝手に変えただと!何をバカなことをいっている。連絡係は変えておらんぞ。ジャックを連れてこい」
国王にジャックと呼ばれた男は、右足を庇うように杖をついて国王の前に姿を表した。
「お呼びでしょうか、国王様」
「いや何、一つ確認したい事があってな」
「何でしょうか、国王様の命であれば何事でも答えます」
「お前の仕事であった連絡係の件でな。学院長との連絡係を勝手に変えたと言われてな。その確認をしたいのだ」
「連絡係を変えたと?何を仰っています。私は、昨日のエマ殿からの報告を最速にそして迅速に国王様へ伝えにいきました。」
「エマよ、ジャックはこう言ってあるが、お主と食い違っているな。どうなっているのだ?」
エマは、ジャックの方を見ると、
「ジャックちゃん、君は僕が魔族を殺した、と連絡を入れたんだね。僕はあくまで撃退したと伝えたはずなんだけど」
「何を!貴方は確かに魔族を殺したそう、言ったではありませんか」
ジャックがそう言い終わると同時にエマとジャック目掛けて飛んで来た雷に2人とも当たると、その場に土埃がまった。
「アリオンちゃん、一体どうしたのかな〜。そんなに怒らなくても僕まで巻き込んで攻撃しなくて良かったんじゃないかい?」
「我の目を誤魔化せるとおもうなよ。ジャックとやら。いや、あの時の魔族。次に会ったらその命貰うと言ったであろう?それにエマとやら、我に魔法解除の魔法をかけるとは貴様も我の敵とみてよいのか?」
アリオンは、全身の毛を逆立て興奮気味に言った。
「あはは、やっぱりバレてたか、でも魔法を使えなかったんなら今回は僕の勝ちでいいかな?アリオンちゃん」
「ふん、次は無いぞ。エマとやら」
「お、おい何をしている。連絡係と言っても重要な私の部下だ、そしてこの国の民でもある。そんな彼に手を挙げてタダで済むと思っているのか?」
ゼノビアは、かなり動揺しているようでジャックがいた場所を心配そうに見ていた。
「ゼノビアよ。まだ気づかないとは、お前のカンも鈍くなったな」
今までのおちゃらけていた幼女とは、全く違う雰囲気のエマの姿がそこにあった。




