17、クラスメイトとの宿泊1
マーティンが急いで部屋を出た後、ルイス達4人は学院内にある浴場へ向かった。
勿論男女別々だ。
ルイスとウェルは、浴場に向かいながらダンジョンボスの話をしていた。
「アリスのあの技凄かったよね?僕の魔力量じゃ、あんなに大きいのは、出せないよ」
「あぁ、あの魔力量さすが王族だけあるな、でもよルイス、俺にも奥の手は、あるんだぜ?」
ウェルは、自信げにルイスに向かって言うと、
「銃だけでも手強いのにまだ奥の手があるの?アリスもだけどウェルも凄いね!」
ルイスは、ウェルに感心していた。
そんな事を話していると2人は目的の浴場に着き、その豪華さにとても驚いていた。
浴場の中心には、4面口の空いた魔物の石像が置いてありその周りを囲うように低い壁があった。
「ルイス!お前その石像見てみろよ?」
ウェルに言われ、気になったルイスが低い壁を跨ぐと突如、石像の口から勢い良くお湯が出てきた。
「な、何?え、僕何にも触って無いよね?もしかして壊しちゃった?」
ルイスが初めて経験するその状況にウェルは笑っていた。
「ブワッハッハッハッハ!!ルイス、その感じだと始めてだな?俺も初めての時はビックリしたぜ!これはな、バスタブだ!」
「ば、バスタブ?僕が壊したんじゃ無いんだ!良かった!」
ルイスがホッとしているとウェルは、バスタブの中に入りその中に座った。
「あの石像の中に熱を発する魔道具があってそれで水を湯に変えてるらしい。浸かってみろよ、ルイス。めっちゃ気持ちいいぞ?」
「ルイスは、驚きながらもウェルと同じようにバスタブに座った。」
ルイスが座ると、石像の口からもっと勢い良くお湯が流れみるみる内に、肩の位置まで上がってきていた。
「本当だ!これ気持ちいい。知ってたなら先に教えてよ。ウェル!本当に焦ったんだから!」
ウェルはまた、笑いながら、
「いやー悪かったって。それよりよ、アリオンはもう呼べるのか?」
ウェルが聞くとルイスは、
「あっ、疲れてて忘れてた!ちょっと呼んでみる」「」
ルイスは、アリオンの名を呼ぶと、バシャーンと、音と共に、アリオンがお湯の中に落ちてきた。
「いつまで我を放置する気だったのだ!ルイスよ?」
どうやらアリオンはルイス達と浴場に来たかったようで、ルイスに忘れられていた事と、重なり怒っているようだった。
「よし、ルイスよ。今回は我の身体を丁寧に洗えば忘れた事を忘れてやろう!どうした?早くやらんか!」
アリオンに言われて身体を洗うルイスを見ながらウェルは、アリオンに質問していた。
「なぁ、アリオン。今日何でルイスの呼び掛けに答えなかったのか教えてくれねぇか?」
「ウェルとかいったな。我に質問するとは!しかし状況が状況か。よかろう答えてやる。今日の朝、地下2階から3階に降りる時に、魔族の罠魔法が発動したのだ」
「ま、魔族だと?何で魔族が学院内に居るんだよ?一体どうなってんだ?」
「続けるぞ?我にとってあの程度の魔法造作もない。魔族と戦い後一歩のところで逃げられたがな!」
魔族を退けた、その言葉を聞いたルイスとウェルは、アリオンの実力を改めて知ったのだった。