第81話 完成
終わりが見えて来た。あとは内部を仕上げていくだけだ。
大型の魔力増幅炉を4基作成。これを船体後部に配置。その前に結晶化した大型合成魔石を2個配置。
大型合成魔石の上下に魔法陣を配置。下部の魔法陣と魔力増幅炉を魔力線で繋げて上部魔法陣からは各魔法陣や魔道具、制御魔法陣へと繋げる。
10重に重ねた演算魔法陣4つと制御魔法陣を魔力線で繋げて各機能拡張魔法陣も繋げて魔力増幅炉を始動させる。
魔力が大型合成魔石に補充されていく。
制御魔法陣を通じて演算魔法陣が機能する。これが各魔法陣を最適化して制御していく。
空中浮遊結界魔法陣が輝き、船体が薄らと光に覆われる。そしてゆっくりと姿勢を制御しながら1m程浮く。成功だ。
艦橋で各表示をチェック。問題無い。まだ、全ての機能には魔力を通していないので何とも言えないが、これで船体を浮かせることには成功した。
船体前中部にある居住区を仕上げていく。艦長室、食堂にミーティングルーム、娯楽室、小会議室、中会議室、大浴場、個別シャワールーム、トイレ。これが上部で上から2層目が居住区になる。
居住区は1人部屋を多数。2人部屋を10、4人部屋を5部屋用意。トイレは別だ。この層に各所に6つ用意してある。一応、給湯室も完備。
最下層はトレーニングエリアと倉庫エリア。
後部エリアは機関室(大型合成魔石、魔力増幅炉、演算魔法陣や各種魔法陣)
艦橋後ろから後部甲板までは格納庫と制作修理室になる。
形状は船体の先端はマイナスドライバーを横にした感じで艦橋はかなり前よりに設置されていて艦橋は前左右が張り出していて上下も見えるようになっている。全長は150mにもなる。イージス艦よりは短い。船体高さは15m(最厚部、艦橋・格納庫は除く)、幅20m。
格納庫部は艦橋より1m下がり後部まで続く。艦橋後部にもガラス窓があり後部や後部上空を目視できるようになっている。
前部甲板のスペースには12基の魔法発射口があり戦闘時以外は扉が閉まっている。ここには誘導式遠距離火魔法の触媒宝石が魔法発射口に入っている。これは大型の合成ルビーになる。射程距離は70㎞。同時目標補足誘導可能数12。基本はジャベリン系である。
後部格納庫外壁面に左右20基づつ、上部に12機の魔法発射口が設置してあるこれは近中距離誘導魔法の触媒宝石が入っている。入っている触媒宝石は火、風、水(氷)、土の4属性の触媒宝石だ。各属性8基づつ。これは射程5〜30㎞の魔法である。基本的にはアロー系かボール系だ。中距離でアロー、近距離でボールを使う。
後部格納庫の艦橋側に作成・修理室がある。ここには結界を使った魔導炉があり鍛治が行える。他にも結界魔法と無魔法で作られた各種魔導工作機が用意(魔導旋盤、魔導フライス、魔導ノコ、魔導CNCなど)。
壁で仕切られて後部格納庫となっている。天井高は9m。天井クレーン完備。今の所はファントムウォーカーが6機があるだけだ。一応、立体式魔導ファントムギア、アーマー駐機庫を完備。収納可能数36機。上下2段横6列奥3列。そこに入っているのはコウのソーサリーアーマー1機のみ。
後部船体外壁には魔導ジェット推進器が大型が2基、中型が4基搭載。場合により通常の魔導ジェットは風魔法で圧縮した空気を送り込んで火魔法で爆発的に膨張させて推進力を得るが時には風魔法の圧縮空気のみで飛行も可能。巡航時は中型魔導ジェットで時速300㎞。加速時では大型魔導ジェットで時速850㎞にもなるが魔力の関係上で持続時間は30分となる。今後はここが改善点の1つとなる。そして推力偏向制御能力も完備。
他には各所に姿勢制御用の小型魔法陣スラスターで姿勢を細かく制御。方向もこれで通常は変える。
最後に全体を守る結界発生装置を取り付けて完成だ。
現在は魔導アンカーで四箇所固定されて1mの高さで停止している。一応格納式のスキータイプの足が8つ格納されている。
色はグレー。白にしたかったが手間が掛かるのでグレー。
まぁ、良い良い。完成だよ。ドワーフの6人はやり切った顔をしている。満足そうだね。
試験飛行をする予定だ。これには全員乗せていく。いない時に何かあったら嫌だからね。他にも使い勝手や改善点の洗い出しも兼ねている。
結界の昇降機で獣人達のファントムギアを後部甲板に乗せて格納していく。他の場所でも結界昇降機で物資や生活用品を載せて人も乗せる。
艦橋にはオルクとウサギ姉妹の2名。通常の操作はこの3名で行う。今回は艦長席に私が座る。他のみんなは後部デッキに出ているようだ。
「発進」
「発進します」とオルク。
「目標ワグの国」
「復唱します。目標ワグの国」
「設定しました」
「巡航速度に移行」
「巡航速度に移行します」
「目標速度に到達しました」
「そのままを維持」
「了解、速度を維持」
「立体周囲観測装置始動」
「立体周囲観測装置始動。全周囲90㎞を表示します」
「敵性体無し」
「オルクさん、では交代で監視をお願いします」
「了解です。艦長」と笑顔なオルクさん。
では艦内を回りましょうかね。
お読みいただきありがとうございます。
少しでもおもしろいと思っていただけましたら、ブクマ、評価をお願いいたします!




