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第72話 旅へ

コウ・アリモットゥ士爵は忙しかった。


特にファントムアーマーの背面装備に使う触媒宝石の合成である。新たに設けられた帝国との国境砦に配備する100機余りの装備用の触媒宝石。


他にも王家騎士団用などなど。注文が殺到。上級魔獣の皮の注文も多く受けた。


更に冒険者が使ったファントムギアの有用性も見出されて、そちらの注文も手伝ったりした。


更に時が過ぎると帝国が分裂。3つの国となる。トルドア王国と領地を接する国はトルドア王国とは友好関係となり、トルドア王国から支援を受けている。


他の2カ国は互いに牽制し合い争い続けている。


そして粗方の注文を捌き切り時間が出来たのでコウは雑貨屋に来ていた。そこで古代書を大量に購入。その数46冊。


ホクホク顔で帰ったコウは早速古代書を読む。


その中の1冊がコウを惹きつける。


「これは・・」


と無心に読む。


内容はまだ、魔獣の森の場所に国があった頃、1人の男が旅に出るという話。


ただし、この大陸だけではなく。荒波を乗り越えて他の大陸まで旅をするお話だ。


そこに見開きで5つの大陸が描かれた地図がある。それを見たコウは心惹かれる。まだ見ぬ大陸。


「行きたい」


地図を見るとこの大陸の東から約3000㎞の位置に他の大陸。著者もはじめにここに行ったようだ。その手前に島が点々とある。そこも面白そうだ。


そこは読んでみると日本の江戸時代のような所だ。行ってみたい。


そしてコウはガレージで船を作る。20人乗りのクルーザー風な物だ。


コクピットから後部の出入り口までにサロンというかLDKを備えてサロン前部にある階段を降りるとシャワールームとトイレにベッドルームが4つある仕様だ。


動力は燃料となる大きな合成魔石が2つに魔導モーター2基駆動。プロペラ式。魔力増幅炉中型が2基、これにより魔力を魔石に充填する。


方角のみの設定となるが自動運転も出来る。他には船体周囲を結界で防護。海の魔物もこれで大丈夫だ。他の装備は魔導コンロや魔導冷蔵庫、魔導冷暖房、魔導蛇口、魔導シャワー、魔導排水濾過装置、魔導トイレ(魔導洗浄便座付き)などなどの便利装備。


サロンには豪華なソファー。各寝室にはフカフカなベッド。コウが使う寝室には個別のトイレとシャワールーム完備。


船体の色は白。


完成だ。フフフ。良いです。


とりあえず、魔導冷蔵庫には缶ビールを詰め込みます。では収納して置きましょう。


一応、ウッドランド伯爵様に1年近く留守にする事を告げる。何処に行くのかと聞かれたので他の大陸に船で行くと言ったら驚かれた。


そして本の地図を見せ、この大陸が5つの大陸の中で1番小さいと教える。


伯爵様から、もし航路を開いたら連れて行けと言われて了承。


翌日にはリンドルンガを旅立つ。


1週間掛けて東の港に到着。ミリガド共和国が気軽に通れるので速かった。


港の宿に1泊したら翌朝、港に船を浮かべる。


さぁ、出発だ。


結界を発動して魔導モーターを始動させる。操作水晶から前進を指示。船が進む。


ふふふ、順調な滑り出しだ。


沖に出ると大陸があると思われる方角をセットして自動運転に切り替える。


デッキに上がると風が気持ち良い。


ああ、良い天気ですね。


缶ビールをプシュっと開けて飲む。美味い。


何処まで行ってもどちらを見ても海海海です。


船は進みます。魔力の補充状態も良いですね。常に魔石の魔力は満杯に近いです。問題ありません。


横を見るとイルカのような魚が並走して飛び跳ねます。おお、凄い!群れの様です。


夕方になるとエンジンを停止して座標を固定します。流れそうになれば自動で魔導スラスターにより自位置を維持します。


さて夕食にボア丼でも食べてビールを飲みましょうか?これで1日目は終わります。今日は11時間船で移動しました。速度は20ノットくらいですから時速にして37〜38㎞位ですね。約407〜418㎞程度の移動距離ですね。まぁ、こんな物でしょう。時間はあります焦る必要はありません。


翌日になると少し海が荒れて来ました。天気も良くありません。


自位置を固定して様子を見ますが嵐になる様です。船がかなり揺れます。結界があるので沈没はしませんが揺れが酷いです。


ソファーに座り、結界で身体を固定します。


本格的な嵐の様です。船がグルングルンしています。上下がわかりません。


翌日の朝まで続きましたがなんとか嵐を抜けた様ですね。


これには参りましたね。何か良い方法はないでしょうか?


そういえば以前に浮く木の箱を作りました。あれが使えないでしょうか?


収納から木の箱を出して中身を見ます。そうでした。作りは簡単ですね。


これをこの船の船体に幾つか付けて操作も共通化してしまえば出来ますね。全て船内作業だけで済みます。やってしまいましょう。


と3時間ほどで作業を完了しました。


操作水晶で船体に這わせる様に結界が発生。上昇を指示すると船が浮き、海から離れます。そのまま上昇して高度を100mを維持します。前進を指示しますがノロノロです。何か他に推進装置が必要な様です。


そして考えます。


魔導モーターハングライダーの様に後ろに魔導モーターの大きな扇風機を作成します。取り外しが出来る様にして船の後部デッキに取り付けます。


コクピットに戻り魔導モーターを始動すると船が前に進みます。


おお、時速は35㎞位ですね。これなら大丈夫ですね。方向も自動でスラスターで方向を制御出来ます。あとは魔力消費量だけですね。これは途中見ながら確認しましょう。


では再出発です。 

お読みいただきありがとうございます。


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― 新着の感想 ―
[気になる点] 結界は船体「だけ」を包んでいるのか、船体を包む空間で切り離されているのか 結界内で魔道モーターで風を起こしても船の推進力となるかどうか まぁその辺は「そういうものだ」で済むかな
[一言] 船が空飛ぶ船にグレードアップしたw
2021/12/15 08:46 退会済み
管理
[気になる点] ファンタジーなので以下全部無視してもええんですが、気になるので一応。 『方角』とあるので昔の羅針盤よろしく、南北に対する角度を固定しているのであろう。この方法だと赤道からはずれるほど…
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