第71話 終戦
「見せて貰おうか帝国の最新のファントムアーマーの力とやらを」とコウは機体を操作。背面の装備を外すと収納して巨大な武器を出して担ぎ走りだす。
ふふふ、一度言ってみたかったセリフです。言ってやりましたwww
コウが駆る。ソーサリーアーマーは巨大なハンマーを担いで敵ファントムアーマーへと迫る。
「さて、耐えられるのでしょうか?この圧倒的な質量を」
とコウはソーサリーアーマーを跳躍させ巨大なハンマーを振り上げる。そして振り下ろされたハンマーの後部から圧縮された風魔法の空気が火魔法の炎の噴射で膨張。ハンマーを加速させる。そしてワイバーンの皮膜にて軽くなっていたハンマーは魔力の接続を切られて本来の質量を取り戻すと敵ファントムアーマーを打ち砕く。
べコンッと言う音と共に敵ファントムアーマーは、その体高を3分2まで減らす。
そして更に振り上げて2機目の敵ファントムアーマーへハンマーを打ち付けるとそのハンマーをハンマー投げの要領で機体を旋回させて投擲。
機体から離れたハンマーは勢いそのままに魔力の供給を断たれて質量を取り戻すと敵ファントムアーマーを横から薙ぎ倒す。それによりボーリングのピンのように数体の敵ファントムアーマーが弾け飛ぶ。
「ストライク!」とご満悦にコウは呟く。
「なんだ何が起きている!」と帝国のファントムアーマー開発責任者は叫ぶ。
私は他大陸より齎された最新技術である、ファントムアーマー開発の第一人者である。その自負がある。
だがこれは何だ?確かに旧ミリガド王国に供与した旧式のファントムアーマーがトルドア王国に鹵獲されたという情報は知っているがこれは何だ?
敵の圧倒的なファントムアーマーの力。それも何だ?あの緑の機体は出鱈目だ。
この短い期間で我が国の最新のファントムアーマーの力を凌駕したと言うのか?信じられん。
とそこに巨大なハンマーが飛来。最後にみたのは巨大なハンマーが私を直撃しようと飛んでくる姿だった。
トルドア王国の冒険者のファントムギアは3から4機で1機の敵ファントムアーマーと対峙。
足の関節を的確に狙い止めを刺していく。魔獣を相手にするよりは簡単な作業だ。
魔獣の方が不規則で硬い。
「ありゃ、コウの奴派手にやっているな」とは敵のファントムアーマーの脚関節に剣を差し込んだウリル。
「ああ、こっちも派手に行こうや」とはランガ。最後にダリスのファントムギアが巨大な穹により止めを刺す。
1時間もすると敵ファントムアーマーは殲滅される。トルドア王国側の被害は軽微。冒険者のファントムギア2機が腕を損傷したくらいだ。
帝国軍は潰走。
それをトルドア軍とバルモア軍は追撃する。コウは、
「帝国の虐げられた民兵たちよ!いまが好機だ!虐げている奴らを攻撃せよ!」と拡声器で声を上げる。
それを聞いた民兵達は目の色を変える。
まずは近くで偉そうに指図していた帝国の兵士を殺害。次々に帝国の兵士や騎士を攻撃していく。
それをトルドア軍は支援。それが帝国領の5分の1にまで波及。
トルドア軍とバルボア軍は数ヶ月を掛けて帝国領の5分の1の場所で進軍停止。
トルドア軍とバルボア軍は虐げられた帝国の民に支持を受けて砦を築く事に成功する。
この帝国の侵攻失敗は帝国領内に深刻な不和をもたらす。そこにトルドア王国の密偵により民を扇動。
帝国内は荒れる。各地で民が蜂起。これを影からトルドア王国が支援。
帝国領の5分の1はトルドア王国に呑まれ、バルボア王国もこれを機にトルドア王国へと組み込めれることを望み、トルドア王国も了承。
これにより帝国領5分の1とバルボア王国がトルドア王国へと編入されることとなった。
冒険者は解散され各地へと戻る事となる。勿論、コウもリンドルンガへと帰投を果たす。
それから2ヶ月後、王都に凱旋した子爵がリンドルンガへ帰って来た。それも今回の功績により伯爵へと陞爵した。
更に王国内の貴族の配置換えが行われてウッドランド子爵領は隣町を含めた数村を含めた領を与えられて伯爵領となった。
隣町の貴族はその功績により旧帝国領を与えられて統治することとなった。
そしてコウは今回の功績により士爵となった。それで、・・・。
「家名ですか?」
「はい、士爵になるにあたって家名が必要となります」
「では有元で」
「?。ありもっとぅ?」
「いえ、有元で」
「ありもっとぅ?」
「もう良いです。アリモットゥでお願いします」
これで領地は持たないし年金も無いがコウはコウ・アリモットゥ士爵となる。家紋はグリフォン。
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