第57話 ブランデーと魔導ピアノ
ふと収納を整理していて気付く。ワインが樽で20ある。
新築祝いで色んなところから頂いたし、確か盗賊の拠点でも貰った。
ふむ、どうするか?ブランデーって確か白ワインから作るのだっけ?まぁ、赤ワインだけどやってみるか。
ということで赤ワインを蒸留。結界に大量の赤ワインを入れて熱します。鑑定で温度を調べながら80度をキープ。
アルコール分が蒸発して冷えた結界に触れると水分に戻り結界を伝って結界の容器に溜まる。大体アルコール度数45度の物が蒸留出来ました。
これをオーク樽に入れまして結界で囲みます。
時空間魔法を意識して結界内の時間を進ませるイメージで熟成を促します。1時間程熟成を進める。
多分、これで20年程寝かしたのと同じになる筈です。
さて試飲しましょうか。
前に聖域で試しに作ったロックグラスを収納から出します。そこに丸い氷を入れて出来たばかりのブランデーを入れます。
香りがいいですね。甘いなんともいえない香りです。見た目もねっとりとしています。
一口飲みます。
カァ〜っと喉が熱くなります。アルコールが染みますね。
でも美味いですよ。口の中に広がる甘い香りが良いですね。好みです。
聖域に転移しました。ここでブランデーを入れるボトルを作ります。
ボトルはサクッと作りました。濃い緑色のボトルです。容量は700ml。
アルミでスクリューキャップを作りました。色は黒。
ボトルに黒いラベルに銀の文字で「リンドルンガブランデー」と表記された物を貼りました。
ガレージに転移で戻り、ボトルにブランデーを充填します。70本出来ましたよ。
夜になると暖色の魔道ランプでソファーの周りだけを照らします。
ロックグラスに丸い氷を入れてボトルからブランデーを注ぎます。ツマミはチーズとローストしたナッツです。
舐めるように飲みながらつまみを口にします。良い時間ですね。
ん〜、何か足りないですね。そうです音楽です。ここでジャズでも流れれば最高なのですが。
う〜ん、どうしましょうか?明日何か作りましょう。
翌日は朝から工作です。ピアノを作ります。私は日本にいる頃、小学1年生から中学2年までピアノを習っていました。まぁ、同時に算盤と水泳を習っていたのですが。自分としては野球とかやりたかったのですが母親がピアノ好きでね。野球で指を怪我したらとやらせてくれませんでした。
中3の時になんとか高校受験を理由にピアノを辞め、それ以来弾いていませんが構造は分かります。
で作成しました。懐かしのピアノです。でもこれは普通のピアノではありません。魔導ピアノです。
とりあえず肩慣らしに弾きます。ああ、覚えているもんですね。久しぶりなせいか楽しいです。
さてこれからが本番です。
まずはジ○リジャズピアノメドレーから弾きます。ああ、楽しい。1時間程弾いたら少し休憩。
次はアニソンメドレーを1時間。最後にジャズピアノを2時間弾いて終了です。
楽しかったですね。
ふふふ、これから魔導ピアノの本領発揮です。魔法陣を起動させます。すると・・・ハハハ。
自動でピアノ演奏が始まります。
先ほど弾いた曲がピアノに記憶されてこうやって再現されます。
う〜ん、良いですね。
さて暗くなって来ました。ガレージの魔導ライトを消して魔導ピアノにスポットライトが上から照らします。
ソファーの周りだけを暖色の灯りが照らし、良い感じです。
ピアノの曲が静かに流れます。
ロックグラスに氷を入れてボトルからブランデーを注ぎます。
ツマミはどうしましょうか?
今日はソーセージとチーズにしましょう。
ああ、静かに流れるジャズの旋律が心地よいですね。
ブランデーを一口。あああ、美味いです。雰囲気が一層味を引き立てますね。
ソーセージも食べましょう。噛むとパリッと皮が弾けて肉汁とハーブの香りがします。これも美味い。ブランデーにも合いますね。
古代書でも読みながら楽しみましょうか。
夜はまだ長いですから。楽しみましょう。
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