第49話 メテオ
ふふふ、やっと出番ですね。まずは魔力供給魔法陣をスクロールから発動です。
魔力を貯めた収納から濃密な魔力を供給します。ちゃんと発動してますね。
次にこの5つのスクロールを発動します。
1つ目は魔力制御暴走抑止魔法陣です。ハイ、ちゃんと魔力供給魔法陣から魔力が供給されています。
2つ目は魔法陣崩壊抑制制御魔法陣を起動します。ふふふ、ちゃんと魔力が制御されて流れていますね。
3つ目も魔法陣崩壊抑制制御魔法陣です。2重で制御します。それだけメテオの魔法陣は暴れん坊なのですよ。
4つ目でメインのメテオの魔法陣を展開起動します。
うん、ちゃんと制御できていますね。
さて5つ目に目標周囲被害抑制結界を展開する魔法陣を展開します。これはメテオが着弾時に発動します。
さてさて行きましょうか。
「堕ちろ!メテオ!」
ああ、綺麗ですね発動しました。私の周囲にも結界を2重に展開します。これで安心安全ですね。
発動されたメテオは宇宙空間で巨大な隕石を形成。魔法により目標へと落下していく。魔法により軌道修正。加速加速加速。
巨大な隕石の表面は断熱圧縮で生成された熱によって溶解。表面が分解しそうになるが魔法の力で収束。加速加速。
膨大な熱量を溜め込んだ隕石は地表から100m上空で爆発。目標地点を囲うように円柱状の結界が発生。
その爆発力は上下に、特に地表へと落下の慣性により爆発力が襲う。
そして隕石のコアが地表へと激突。その力は直径1キロに及ぶクレーターを穿ち、クレーター表面をガラス化させる。
目標地点を覆っていた結界は圧力に耐えられず崩壊。衝撃は周囲に拡散する。
魔獣の群れは一瞬で消え去る。跡形もなく。
目の前の光景が信じられない。目標周辺に結界が張られたかと思えば燃えたぎる隕石が落下。その振動は城塞都市を揺らす。
そして途轍も無い振動がズドンッと言う音と共に襲う。立っていられないほどの振動だ。みんな床に伏せている。
ああ、結界が崩壊!こちらに衝撃が襲う。
「魔法師団!結界を全力で維持よ!」と叫び私自身も結界を展開して耐える。
衝撃で巻き上がった土砂が結界に放り注ぐ。それらが終わると、目の前に大きなクレーターが見える。魔獣の姿は1つも見えない。
これが1人の人間が起こしたことなの?信じられないわ。
ああ、発動した本人も無事なようね。
まだ周りの人間は呆けている。私だって現実を受け入れられたとは言えないわ。
彼がこちらに振り向き戻ってくるわ。
う〜ん、やり過ぎた?かも?
ハハハハ、よく考えたら魔獣の素材が残って無いよね。当たり前か・・。
あああ、失敗だ。これではお金にならない。それにかなりの環境破壊をしてしまった。
え〜とこのクレーターどうしよう。土魔法でなんとかなりませんかね?なりませんか。
はぁ〜、これは素直に謝りましょう。みんなの分も消しとばしてしまったようですしね。
彼が戻ってくるが何か肩を落として溜め息を吐いている。
聞くと魔獣の素材がとか環境破壊がとか言っている。どういうことだろうか?何かしきりにギルドマスターに謝っている。
ギルドマスターも困っているようだな。
普通ならこれだけの成果を上げたのだ誇っても良いのにな。面白い奴だ。
それにしても若いな。
15、6歳か?
どうやってあれだけの力を得たのだろうか?機会があれば聞いてみたいものだ。
しかし、どの様に報告したものか。そのまま報告しても信じてもらえまい。
困ったものだ。騎士団長と相談だな。
なんとか怒られずに済んだ。みんな喜んでいる。
じゃあ、良いね。良かった良かった。結果オーライだ。
さて夕暮れ亭に行きましょうか。
え?ダメ?なんで。
お前が主役?
なんで?
うん?
帰らせて・・。
お読みいただきありがとうございます。
えぇっと、日間転生転移ファンタジー1位、総合でも20位以内とか100万PVとかよく分かりません。ですが事実ですので誤字報告のお詫びと感謝で12:00と17:00に投稿します。
少しでもおもしろいと思っていただけましたら、ブクマ、評価をお願いいたします!




