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第283話 タキノとルカ⑦

この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称は架空で有り、実在のものとは関係ありません。

◇新しい宇宙 遺跡内 タキノ


 怪しい壁に蹴りを喰らわせるとガラガラと音を立てて崩れ去る。


 思った通りだ。


 いつの頃からだろうか……いや、いつの頃からかは大体わかっている。きっかけはアーマーに乗り始めてからだ。


 アーマーに乗り始めた当初は操縦に違和感があったが、乗る回数が増えるにつれてそれが解消されていった。


 これは最近得た感覚だが、何というかアーマーに乗ると意識が広がった様に感じる時があった。その感覚をコウに相談するとあっさりと答えをくれた。


 アーマーには操縦を制御補佐するための機能として脳波リンク機能というのが装備されているらしい。それが度重なる改良によって魔力が混ざった脳波を正確に捉えて操縦者の意図を読み取り、機体の補正補助して精密正確に動作させる事が可能となっていると説明された。


 コウも感じた事があるそうなのだが、それが時折情報の逆流現象が起こり知覚が広がった様に感じる時があると言っていた。


 ただ、コウが使う脳波リンク機能に比べて俺らが使う機能には頭に負担にならないように、かなり制限されているのだとか…。


 まぁ、あれだけの大規模魔法を行使するには機能を最大限にするしか無いのだろうな。


 凄えと思う。


 それでだ、最近の事だが精神集中の訓練の為に瞑想をしているのだが、その時に雑念が取り除かれていく毎に周囲の状況が細かく把握できる感覚が生まれる時がある。


 これが最近集中して周囲を観察している時に、ごく近い周辺の違いというか異物感がわかるようになった。


 今回もその感覚に従い行動したら壁が崩れたということだ。


 剣聖爺さんとの模擬戦でも感じていた事だが、爺さんの周囲を認識する能力はかなり高い。これは今俺が感じている感覚が拡張されたものでは無いかと思っている。


 まだまだ、爺さんやコウには及ばねえが、その取っ掛かりは掴めたように思える。


 面白え。


 思わず口角が上がる。ワクワクしてきたぞ。


 さて先へと進むか。



◇遺跡内 ルカ


 目の前の壁がタキノの蹴りによって崩される。何が起こったか把握するのに数瞬かかった。軽く頭を振り状況を観察する。


 壁の先に通路が見える。どうやら風化して壁と同化した扉だったようだ。それをタキノが蹴りで壊したと……。


 何だろうかタキノの時折感じる野生の勘というか、そんな類の物。


 タキノは崩れた壁を一瞥すると壁の奥へと進んでいく。後を追わないと…。


 タキノは暗い通路をまるで見えているかの様に進んでいく。はぁ〜、多分見えているのだろうな。それを天然で自然にやっている。


 こいつはバカなのか天才なのか分からない。


 だからいつも気になって構ってしまう…。手の掛かる弟のような物だ。


 私も目を強化すれば暗闇でも視界は確保できるが周囲の状況を把握するために光源魔法で辺りを照らす。


 進むにつれて壁の状態が良くなって来ている。軽く魔力で壁に干渉してみると、どうやら状態保存の魔法が全体に掛かっている様だ。


 外に晒されている部分から状態保存の魔法が切れて風化が進んでいるのだろう。暫く進むと扉が見える。


 タキノは無造作に扉を開けるとあっさりと開く。何も施錠はされていない様だ。


 扉の中に入ると階段が見える。その階段をタキノは何も気にせずに降っていく。溜息が出る少しは周囲を気にして欲しいと思う。


 下へと降っていくにつれて状態保存の魔法の効力が強くなって来ている。


 一時間も階段を下っただろうか、階段がなくなり小さな部屋へと辿り着く。目の前には扉がある。


 タキノも安易に壊す行動はせずに周囲を観察している。いつもそうして欲しい……。扉の前にいるタキノを押し除けて扉周りを調べるとカバーで隠された操作パネルが見つかった。


 カバーを開けてパネルを調べると手のひら程のモニターがあり、そこに手を当てて魔力を流してみると、


 ピピピ!


 と音がしてパネルに明かりが灯る。二つボタンがある、赤と青だ。青を押してみると扉がシュウッと開いていく。


 更に扉の奥へと入っていくと、突然にブーンと低い音が響き出した。タキノも周囲を警戒して足を止めると周囲が明るくなる。


 この施設はまだ生きているようだ。私たちがパネルを操作したことによって動き出したみたいだ。


 短い通路を抜けると大きな空間へと出る。かなり広い空間だ。


 手前から順々に奥へと明かりが灯っていく。


 「ありゃあ、何だ?」


 とタキノが言うと奥が明かりに照らされると大きな物体が見える。何だろうか一見すると船に見える。それも宇宙船だ。


 近づいていくと確かに宇宙船だ。艦種は戦艦に属すると思われる。ただそれ程大きくは無い。黒光するその船体は劣化を感じないかの様に佇んでいる。


 「船だな」


 とタキノは呑気に宇宙船を見上げている。


 これが何かの手掛かりに繋がれば良いのだけれど…。 

お読みいただきありがとうございます。


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