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第280話 新しい宇宙 母船⑦

この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称は架空で有り、実在のものとは関係ありません。

◇新しい宇宙 母船内 剣聖アルド・ミラー


 共和国への技術提供は講義が終わった後も引き続き行われている。共和国の技術者や研究者は貪欲に技術を吸収して、疑問があれば納得がいくまで喰らい付いてくる。


「はぁ〜」


と食堂のテーブルに座っているオペレーターの一人が溜息を吐く。


「どうした?」


 まぁ、原因は分かっているのだが聞いて見る。こういう時は話させた方がストレスが軽減するものだ。


「あっ、剣聖さん。あのですね共和国の人達の圧力がですね……」


と俯く。


「ははは、彼らも必死だからな」


「それは分かっているのですが……度が過ぎるというか何というか……」


「分かった。ワシからも程々にと進言しておこう」


「はい、ありがとうございます」


 と少し明るくなった顔を上げる。この羊獣人の女の子も慣れない講義やらなんやらで疲労の色が見える。


これはなんとかしないと行けないな。ナブさんに相談するか。




※※※※※※※※※※※※※※※




 現状をナブさんに相談してから数日が過ぎた。ナブさんからの提案は彼らの質問事項や疑問点を調べられる端末を作成して各自で調べてもらおうということになった。


 早速、数台の日本移民達が使っていたノートパソコンという物に似た端末を三十台ほど用意して共和国側へと渡した。


これでなんとかなれば良いのだが。


それから数日は渡す端末を増やしていき、なんとか質問などは母船クルーの手を離れつつある。


『剣聖さん』


「ナブさんか、何だね?」


『共和国側から供与された資料の中に面白い記述を見つけました』


「そうか、それはどういう物なんだ?」


『かなり古い資料で欠損も激しい物でしたが、幾つかの資料を繋ぎ合わせる事によって分かった事があります。それは、この宇宙へと迷い込んだ宇宙船二十五隻は人種が移住可能な幾つかの星へと移り住みました』


「やはり、彼らの祖先は移住に成功したんだね」


『はい、そして拙いながらも移住者が結束して色々な技術を確立させ、少しづつその生存圏を広げて行きましたが、それにより人口が増え資源の枯渇が懸念されました』


「ふむ」


『そこで彼らは宇宙の辺境と呼ばれる地にまで開拓を進めて資源確保に邁進しました。それが今は人種はいるが文明が発達していない地域となります』


「うん? それでは今何故辺境地は文明が進んでいないのだ?」


『それが順調に開拓が進み、資源も送れるようになった頃に他の文明からの攻撃を受けて壊滅したと記録に残っています』


「辺境宇宙の先に他の先住種族がいたのか」


『そうです。その種族はどのような種族なのかは記録はありません。ですが辺境地の全ての星にある都市いう都市が全て宇宙からの攻撃により消滅し、少数の生き残りが生き残った宇宙船で脱出して、この記録が残されました。この事によりどの様な種族・文明度が分からない者達、最低でも宇宙を移動して攻撃が出来る程の文明から距離を置くべく、辺境地は放棄されました』


「なるほどな、それで辺境地は手付かずな訳か」


『はい、そしてこの話には続きがあります』


「そうなのか?」


『はい。辺境の地を放棄した後、やはり人口増加により資源の枯渇が起きてしまいます。それにより星毎に分裂して資源の取り合いが始まり戦争が始まります。この戦争により主要な星にある都市は双方ともに壊滅。それでも戦争を辞めない彼らは殆どの資源を使い果たして文明の退化が起こり現在に至ります』


「だから彼らには遺跡から出てきた物を使えるが、直したり生産する技術が無いのか」


『はい』


「なるほど、大体は分かった。ではそれを踏まえてどうするか?」


『これは憶測になりますが探査ポッドの探査記録から推測される事ですが、文明がある程度発達している場所にマスター達はいないのでは無いかと』


「辺境の地か?」


『はい、可能性は高いです。現在はその辺境の地方面へも探査ポッドを飛ばしていますが、辺境の地までは距離がありデータが送られてくるのは数ヶ月後になります』


「う〜む、それまでこのままと言うわけにはいかんな」


『はい、それで共和国の方も現在はひと段落しています。それで母船で辺境の地へと向かってはどうでしょうか。共和国には数体のポッドを置いておけば何とかなるかと思います』


「問題ないなら、それもありだな……ナブさん、その方向で調整してくれ」


『はい、わかりました』


ふと視線を上げると自室にある大型モニターが目に入る。


「綺麗だな」


星々が輝いている。何か久しぶりに見た気がする。ワシも追い込まれていたと言うことか……。今更ながらにコウさん達がいない事による重圧を感じていたのだと実感する。


「一杯飲むか」


と腰掛けていた椅子から立ち上がり部屋を出ると食堂を目指す。 

お読みいただきありがとうございます。


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