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第279話 タキノとルカ⑥

この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称は架空で有り、実在のものとは関係ありません。

◇新しい宇宙 ルカ


ギルドで教えてもらった食堂へと入っていく。ギルドでは安くてボリュームがあり、味も問題無い食堂だと聞いた。


中に入ると丸いテーブルが並び、昼前の時間だが半数のテーブルには客が埋まっている。これから混むのが予想される。店内の清掃も行き届いており内装も質素だが雰囲気は良い。


テーブルにある料理を見ると、殆どのテーブルには大きめの山盛りステーキと山盛りの肉野菜炒めが配膳され、それらを小皿に分けて数人でシェアして食べている。勿論、大きなジョッキのエールも漏れなく配膳されている。


良い匂いだ。香辛料もふんだんに使われていると見える。


適当な席に座り、同じ料理とエールも頼む。対面に座るタキノはキョロキョロと周りを見てはソワソワしている。


こいつはメインは食事ではなく、話がメインだということが分かっているのだろうか? 口から垂れそうになっている涎を見ると分かってなさそうだ。


思わず溜息が出る。


「タキノ、アンタ分かっているの?」


「ああ?」


とタキノは涎を垂らしながらこちらを見る。頭が痛い。


「食事はついでよ。話がメインだからね」


「あ、ああ、分かっている」


とタキノは目を逸らすが目は他のテーブルの料理を見ている。そこにエールが運ばれてくる。やはりぬるいエールだ。隠れて魔法で冷やして一口飲む。


「美味いわ」


と思わず口に出た。そう言えば収納から出した料理以外の物を飲食するのは久しぶりだわ。対面のタキノも自分で冷やしたエールを美味しそうに飲んでいる。


一杯目のエールを飲み干すと料理が運ばれてくる。一口サイズにカットされたステーキと肉野菜炒めが大皿に盛られて配膳される。ついでに二杯目のエールを頼むと小皿にステーキと肉野菜炒めを取り分けてタキノへと渡す。


タキノは小皿に盛られた料理を見てゴクリと喉を鳴らすとフォークを持ち食べ始める。一口目を口に入れると口角が上がり美味そうに食べ始める。


私も小皿に料理を盛り付けて食べ始める。なるほど、味付けも焼き加減も絶妙で美味いわ。ふとタキノを見るとエールの二杯目を片手にステーキ肉に齧り付いている。


もう話は無理ねと溜息を吐いて諦める。


三杯目のエールを飲み干す頃には料理も食べ終わりまったりとした時間が流れる。タキノは満足そうに笑顔で腹を摩っている。


気がつくと昼時も進んで店内が混んで来ている。これは店を出るしかなさそうだ。支払いを済ませて店を出る。


確かベンチが多数ある広場があると聞いたので、そこへと向かう。広場に着くと広場を囲むように屋台があり競うように料理などを売っている。


適当な屋台で果実水を頼んで空いているベンチにタキノと並んで座る。少し冷えている果実水を飲んで落ち着くとタキノへと話を始める。


ギルドで調べたのは、この周辺の状況と歴史を含めて国、街の情報を集めた。結果、私達が抜けて来た森にかつては古代都市があり、それが何が原因かは分からないが一夜で破壊されて亡くなったとされ、その後に森が出来て破壊の影響か魔力の流れが滞り魔力溜まりが発生して破壊の中心地である森の中心部には強力な魔獣が存在しているという事らしい。


あのドラゴンもそういう類だろう。


そして大きな森を囲むように幾つかの古代遺跡が点在しているという。王都へと行けばギルドの話によれば、もう少し詳細な情報があるらしいのだが、ここは辺境で王都とはかなりの距離がある。


このままでは何も情報は得られない。ならばどうするか?


とりあえず、この街周辺を探索してはどうか。それをタキノへと話して了承を得る。


まぁ、こいつは何も考えていないのだろうが……。


簡易な写して来た手書きの周辺地図を膝の上に広げてタキノに見せる。タキノはふ〜んと地図を眺めてはいるが分かってはいないようだ。


とりあえず一番近くで規模大きな遺跡を探索することにした。すでに何十年も前から国によって調査、探索はされているが何も見つかってはいないそうだ。


でも私らが見れば分かる何かの文字や絵文字などが見つかり、今後の手がかりにつながる可能性もある。


私たちは適当な宿で一泊して翌日の早朝には遺跡へと向かう。


遺跡には一時間程で着いた。勿論、身体強化をして森を走り抜けたからだ。特に魔獣に出会うとかは無かった。


遺跡に着くとポッカリと地面に四角い穴が空いていて風化している階段が見える。辺りを見渡すとどうやら、ここ遺跡の上には何らかの設備や建物あり、それらは古代都市が破壊された時に一緒に破壊さて吹き飛ばされたように見える。


だが、地下の遺跡だけが残った。


タキノを先頭にして遺跡へと入っていく。明かりなどは何もなく、魔法で光源を空中へと浮かべて壁などを調べていく。


かなり風化が進んで壁も劣化が激しい。いくつか左右に部屋があったが何も残されていないし、壁などにも何も文字などの痕跡も無い。


一直線に伸びる通路を歩いていくと二十分ほどで突き当たりになる。


ここまでは何も手掛かりは無かった。これでお終いか……。


と思っているとタキノが、


「なぁ、ここおかしくないか?」


と突き当たりの壁を剣の柄で叩いている。


ゴンゴン、コンコンと場所によって音が変わる。


私も近寄り魔力を使って壁を調べると確かに壁の奥に空間がある。これはもしかして……と考えていると、


「おりゃあ!」


とタキノが身体強化フルマックスで壁を蹴り上げる。


バキッ!


と音がするとガラガラと壁が崩れ落ちる。どうやら元は頑丈な扉だったようだ。それが経年による劣化で脆くなりタキノの蹴りによって崩された。


ふふん


とタキノはドヤ顔してこちらを一瞥すると崩れた壁の奥へと入っていく。 

お読みいただきありがとうございます。


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