第273話 新しい宇宙 コウ④
この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称は架空で有り、実在のものとは関係ありません。
◇新しい宇宙 コウ
良い目覚めでは無かったが目が覚めた。ベッドから降りて軽く伸びをする。気持ち良い。スッキリするために軽くシャワーを浴びて作業着に着替える。
部屋から出て大広間に出ると少し離れた所に骨格が剥き出しで、あらゆる部品が見えているアーマーが見える。
これはこれで美しいと感じる。
思わず頬が緩む。手際良く朝食を用意して食べ終わると温かいコーヒーを用意してゆっくりと飲む。この時間も良いな寛げる。
そしてコーヒーの湯気越しに見える制作途中のアーマー、何か趣がある。ふふふ。
まぁ、自己満足だな。
片付けを済ませると制作途中のアーマーの下へと行く。見上げる制作途中のアーマーは厳つく感じるが、またそれも格好が良い。いつまででも眺めていられるな。
どうしてもニヤリとして頬が緩んでしまう。俺はやはりこういった物を作るのが好きなんだなとつくづく感じる。
「さて始めるか」
とまだまだ眺めていられるが自分に言い聞かせるように作業を始める。今回の作業は外装部分と出来れば兵装にも手を付けたい。
外装に使うのは三重ハニカム構造の外装板である。一番外側に使うのはオリハルコン、真ん中にミスリル、内側に魔鋼の三重構造になる。
それらを機体に合わせて膨大な魔力で変形させて取り付けていく。勿論、メンテナンスも簡単に出来るように確りと考えてある。
完成した造形は中々だと思う。これにペイントしていく。下地は黒。そこに金色で衣装をつけていく。
うん、完成だ。堪らなく格好が良い。
威圧感もあるが、何か威厳も感じる機体に仕上がった。ふふふ、直ぐ乗りたい。
がしかし、我慢だ。一気に兵装も作成していく。
まずは近接武器である魔導セイバーを二本両腰に装備。ハハハ、武士だ武士!
肩部の広がった装甲と広がった腰部のアーマーと広がった足部の装甲が着物を連想させる。ふふふ、スカート付きめが……。
ああ、楽しい。
う〜ん、薙刀にすればよかったかな? 背部に一つ装備するか? あとで検討しよう。
次に背部バックパックには機体制御用のシャンバラの技術の応用によりかなりの小型化が実現した重力制御装置が取り付けられており、その周辺に特にバックパック左右に兵装を装備する。
正面から見て左側には大火力用の魔法触媒をアームに取り付けて魔法砲撃戦でも戦えるようにする。
右側には、これから作る大型のメガ魔導ランチャーをアームに装備する予定。これは上級害獣にも対抗出来る兵装だ。他にも小型の魔導誘導弾も八発装備。
更に遠隔式の魔導兵装ポッドを八基装備。これはパイロットの意思に反応して遠隔で飛翔して魔導ビームや結界を形成する。結界機能は複数のポッドの連携により結界を拡大することも可能となる仕様だ。
最後に背部腰部に取り付けた魔導ビームライフル。これは従来の物よりも威力、射程が大幅に改良されている物になる。まぁ、これらが実現したのはシャンバラからの技術供与が大きい。
今回の機体には新しい機能が多く積まれている。
それらを紹介すると、亜空間潜航機能。これは単純に母船となる潜航艦から亜空間内より出撃や帰投が可能となっている。
その為に通常空間へと浮上する探査及び通信ケーブルが装備されている。これで亜空間を移動しながら通常空間の情報を得る事が可能となる。
更にこのケーブルから魔導兵装ポッドも操作可能となり遠距離の情報の収集や攻撃が可能となっている。
次にコアとなる装備である機体内に拡張された空間に設置された魔導演算機だ。これは機体制御や各種兵装の使用時にパイロットの意思を魔力により読み取り、それらを間違いなく正確に素早く反映させる事が出来る。これもシャンバラから提供された技術により、より小型化でより高性能な物になっている。勿論、ナブやナビィ等の高位AIとの連携も問題ない。
他にも各種関節には摩擦制御機能も装備されており、各部の摩耗を防ぐと共にレスポンスも向上している。
重要な装備はこんなものかな。あとは乗るのが楽しみだ。
やっと完成した我がアーマーを見てニヤニヤしていると、
『マスター』
「どうしたナビィ?」
『採掘していた作業ポッドがかなり古い、捨てられたと思われる施設を発見しました』
「よしっ! 何かの手がかりになるかもしれない。様子をモニターに映せるか?」
『ハイ、可能です。モニターを表示してライブ映像を映します』
俺の前に大きなモニターウィンドウが開くとそこに少し暗いが何かの施設と思われる物が映し出される。
「ナビィ、映像を記録してくれ」
『ハイ、マスター。記録を開始します』
作業ポッドが施設内を移動していく。映像を見る限りかなり古い物だと思われる。
「うん? 少し戻ってくれ。そうそこの右側を映してくれ」
作業ポッドが映し出した映像には“触るな危険“と書いて表示されているのが見える。
「字が読める……」
唖然としてそれを見つめて考えるが答えは出ない。
「どういう事だ…」
ある程度、その映像を映したあとは奥へと移動していく。所々に表示された文字は俺にも読める。
「ナビィ、この施設を集中的に調べてくれ」
『ハイ、マスター』
どういう事なんだろうか、ここは本当に新しい宇宙なのだろうか? よく分からんな。
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